ステンレスの外装から「銀釜」と呼ばれる「EF81形電気機関車 303号機」が復帰した翌日、JR貨物の列車が鹿児島県のJR川内駅構内で脱線した。
銀釜は今年9月にトラックと衝突して運行を休止。製造から50年とあって、修理せず引退するとみられていた。ところがJR貨物は、復帰させることを決定。12月12日に線路に戻った。
その翌日、鹿児島貨物ターミナルへと向かっていた貨物列車の電気機関車と先頭の貨車2両が脱線。14日から復旧作業が始まったが、運転再開の見込みは立っていない。脱線の原因は調査中だ。
脱線した電気機関車は銀釜と同じ「EF81形電気機関車」の406号機。銀釜に続く事故に、鉄道ファンの間では、
「門司機関区のEF81は呪われているのではないか」
という声が上がっている。そしてもうひとつ、それ以上に話題になっていることがあると、鉄道ライターは言うのだ。
「脱線したEF81の406号機は、銀釜が事故を起こした時に救援に向かった電気機関車なんです。動けなくなった銀釜を、車両基地まで重連運転で連れて帰ってきました。その406号機が銀釜復活の翌日に事故を起こすなんて、奇妙な縁を感じずにはいられません」
銀釜同様に406号機も復帰してほしいが、
「映像を見ると横転するまでにはいっていないようですが、車体が傾いていて車体に大きなダメージがありそうです。製造されてから36年ほどと、銀釜と比べれば新しいので、復活させるのではないでしょうか。そもそも銀釜を復帰させた理由が電気機関車不足なので、406号機も修理すると思います」(前出・鉄道ライター)
銀釜と406号機が再び貨物列車を力強く牽引する姿を見たい。
(海野久泰)