立て続けての延期に、ボクシングファンはため息を吐いていることだろう。
世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥が12月24日に行うはずだった、サム・グッドマンとの無敗対決は、グッドマンが練習中に右目上を負傷したことで1カ月の先延ばしに。
そして大晦日のRIZINエキシビジョンマッチも不運に見舞われた。第4代K-1 WORLD GPスーパーライト級王者・安保瑠輝也の対戦相手だった、プロボクシング元WBC世界ライト級暫定王者のライアン・ガルシアが手を負傷。ドクターストップがかかったため、試合は「来年春先」というなんとも曖昧な延期となったのである。
26歳のガルシアは本来ならば、現役バリバリ。今回の負傷について安保は、
「どのみちオレにぶっ飛ばされて、ケガして病院送りになっただろう」
と皮肉を込めてコメントしているが、一方では、
「ガルシアが本気でかつての研ぎ澄まされたボディを作れば、ボクシングルールならば、安保などひとたまりもないほどのスピードとパンチ力を発揮するのでは」(格闘技関係者)
とはいえ、ガルシアがボクシングを引退したのは体重超過やドーピング疑惑など、スキャンダラスな理由から。安保とのエキシビジョンマッチが発表された際には、本気度を疑う声のほか、高額なファイトマネーに釣られただけではないか、と…。
そして先ごろ配信した動画でのガルシアの姿を見ると、「最強のイケメン」といわれたのがウソのような緩んだ顔。そして腹回りはいったいどうなっているのか、と言わざるをえないタプタプのビール腹。かつての姿を知るボクシングファンにしてみれば、「やはりヤル気が感じられない」だろう。
そこに飛び出した「負傷延期」。延期ではなくキャンセルになる、との観測が出るのも無理はないのだ。
お騒がせ男は今後、どんな体を作って再登場するつもりなのか。
(田村元希)