近年、秋が短くなったと感じる人は少なくないはずだ。事実、今年も猛暑の夏が長く続いた後、紅葉の秋を楽しむ暇もなく、極寒の冬が一気に到来した。
この点は春についても言える。猛暑の夏が早く始まるぶん、春の期間が夏に浸食される形で勢い、短くなっているのだ。
そんな中、衝撃の近未来予測が飛び出している。気候変動や異常気象などを専門とする、三重大学の立花義裕教授をはじめ、多くの専門家が次のように断言しているのだ。
「近い将来、日本の『四季』は消滅し、猛暑とドカ雪の『二季』に遷移する」
背景にあるのは昨年、新語・流行語大賞のトップ10に選ばれた「地球沸騰化」だ。
地球沸騰化によって、まずは夏の期間、偏西風が大きく蛇行する形で、日本列島の北側に押し上げられる。その結果、熱気の塊である太平洋高気圧が列島を覆い続け、命の危険を感じるほどの猛暑が長く続くのだ。
同時に、太平洋側の海水温の急上昇によって、大気中の水蒸気量が異常なまでに増大する。その結果、10年に一度、否、100年に一度と言われる超ゲリラ豪雨が、スーパー台風も含めて猛暑の日本列島を襲い続けることになる。
地球沸騰化はまた、冬季における雪の降り方をも一変させつつある。地球沸騰化は暖冬と積雪量の減少をもたらすが、その一方で一度に降る雪の量を極大化させてしまうのだ。
原因は日本海側の海水温の上昇にある。海水温の上昇によって、やはり大気中の水蒸気量が極端に増大し、JPCZ(日本海寒帯気団収束帯)と呼ばれる線状降雪帯が発生することで、日本海側の地域に「ドカ雪」をもたらすのである。事実、ドカ雪の傾向は、今冬の雪の降り方にも顕著に表れ始めている。
多くの専門家が指摘するように、日本列島が猛暑とゲリラ豪雨(スーパー台風)とドカ雪の災害列島に変貌するのは、もはや時間の問題と言っていい。
(石森巌)