芸能

札幌・中京・読売・福岡…日本テレビ系列4局「激震合併」までの知られざる秘密事情と全舞台裏

 日本テレビ系列の放送局のうち、札幌テレビ、中京テレビ、読売テレビ、福岡放送の4局が2025年4月1日に、認定放送持ち株会社の読売中京FSホールディングス(FYCS)を設立してその子会社となると発表したのは、2024年11月29日のことだった。テレビ業界待ったなしの、生き残り作戦が展開されることになる。事情を知るテレビ関係者が明かす。

「春頃だったかな、今回の4局が合併するって聞いたのは。給料もそのうち一緒になるけど、低い局に合わせるから、旗振り役の読売テレビの社員は頭を抱えてますよ」

 秘密裡に準備が進められた持ち株会社の設立。率先したのは読売テレビ、中京テレビのトップ2人だという。

 そもそも日本テレビはすでにホールディングス(HD)を形成。傘下には関連会社をはじめ、系列局が名を連ねている。前出のテレビ関係者が言う。

「今回の4局のうち、札幌テレビは日本テレビの出資率が高かったりする。それでもあえてそこに頼らず、4局でのHDに参画したのは、自社制作番組をなんとかして残したいという、強い思いがあったから。日本テレビに対抗する形を取って、言いなりになるのを避けないと」

 実は系列キー局の日本テレビが救済しようにも「手がいっぱい」の事情があった。4局の筆頭株主は、日本テレビをトップとするHD。2位には読売新聞がいる。

「本当なら日本テレビHDが今回の4局を吸収合併すればよかったのですが、残念ながらそこまでの体力はもう残っていない。かといって、日テレHDに入っている関連会社、系列局を切ることもできない。ヘタをすれば、見捨てる可能性もありました。4局が集まれば資金面でも対抗できる上、発言権が得られる。日テレからすれば、今回の4局合併は苦肉の折衷案だったと思います」(日本テレビ関係者)

 4局には入らなった広島、宮城の系列局は現在、日テレホールディングスの傘下にブラ下がっている。日本テレビ関係者が続ける。

「今後、さらに役員を日テレから送り込まれることになる。経費削減の名のもとに、自社制作番組は削減されるでしょうね。そこまで追い詰められている」

 では両方のホールディングスに入ることができなかったローカル局は、どんな心境でこのニュースを捉えているのか。

「まだ情報が入ってこない。我々は見捨てられてしまうのか」

 こう語るのは、さる日本テレビ系列局の営業マンだ。

「今回のHD設立発表を受けて、他のローカル系列局に激震が走っています。近いエリアの局の上層部が集まって緊急会議を開く、との話があるほどです」

 これまでは日本テレビからの番組供給、CMをそのまま流せば「電波料」の名目で多額の金を受け取ることができた。だが視聴率が下がった今、その金額は目減りしている上、配信サービスTVerの台頭もある。

「このままいけばいずれ、地域の情報を流せなくなるのは間違いない。そうなる前に再放送などを増やして経費削減するか、新たな事業を起こすか。厄介なのは、地元新聞社との結びつきが強い局だと、その意向もくまないといけないこと。さらにラジオ兼営の局は、勝手に停波することができない。地域の一等地にある土地を売るなどしてやりくりしないと、乗り越えられません。堅実な経営ができないオーナー企業の局から、まずは淘汰されるのではないですか」(前出・営業マン)

 ここで春の番組編成を見てみることにしよう。3月末で打ち切られるのは「行列のできる相談所」「ズームイン!!サタデー」「ウェークアップ」など。いずれも日本テレビ系列を代表する長寿番組だ。これらにメスを入れなければならないほど、経営状況が追い込まれているという。深刻なのは、たとえ視聴率を取れても、CMスポンサー離れが著しいことだ。

「打ち切られる番組の中には、CM出稿が減って実質、赤字のような番組があったといいます。そうなれば、改編して立て直したい気持ちは強くなる。系列局が制作している番組には、日テレ側から『全国ネット枠を返上せよ』とお達しがあったようです」(系列局関係者)

 では今回の4局によるHD設立で、シナジーは生み出せるのか。

「番組の制作ノウハウ、番組の共通化などは進むと思います。さらに新規事業を立ち上げて儲かる仕組みを作ることができるかどうかが、重要なポイント。できなければHD設立の意味合いは半減してしまう」(前出・系列局関係者)

 今回のFYCSの成功の可否はそのまま、テレビ業界の未来を映し出すことになるのかもしれない。

カテゴリー: 芸能   タグ: , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    デキる既婚者は使ってる「Cuddle(カドル)-既婚者専用マッチングアプリ」で異性の相談相手をつくるワザ

    Sponsored
    318390

    30〜40代、既婚。会社でも肩書が付き、責任のある仕事を担うようになった。周囲からは「落ち着いた」なんて言われる年頃だが、順調に見える既婚者ほど、仕事のプレッシャーや人間関係のストレスを感じながら、発散の場がないまま毎日を過ごしてはいないだ…

    カテゴリー: 特集|タグ: , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<中年太り>神経細胞のアンテナが縮むことが原因!?

    327330

    加齢に伴い気になるのが「中年太り(加齢性肥満)」。基礎代謝の低下で、体脂肪が蓄積されやすくなるのだ。高血圧や糖尿病、動脈硬化などの生活習慣病に結びつく可能性も高くなるため注意が必要だ。最近、この中年太りのメカニズムを名古屋大学などの研究グル…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<巻き爪>乾燥による爪の変形で歩行困難になる恐れも

    326759

    爪は健康状態を示すバロメーターでもある。爪に横線が入っている、爪の表面の凹凸が目立つようになった─。特に乾燥した冬の時期は爪のトラブルに注意が必要だ。爪の約90%の成分はケラチン。これは細胞骨格を作るタンパク質だ。他には、10%の水分と脂質…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , |

注目キーワード

人気記事

1
TOKIO「ウルトラマンDASH」列車競争企画に疑惑浮上「通常運行」とは大違いの「ゆっくり走行」
2
【詳報】ブルガリアの「女ノストラダムス」が予言していた「世界の終わりは2025年から始まる」
3
「浅田真央リンク」新設に地元住民が「やめてくれ!」で荒川静香との「立川バトル」勃発危機【2024年下半期BEST記事】
4
【京都金杯】これはすごい!川田将雅を怒らせたレイチェル・キング「こじ開け騎乗」の腕前
5
キムタク主演映画「グランメゾン・パリ」興行収入「30億円見込み」は本当か「実地検証」してみた