中居正広による女性スキャンダルがテレビ界に与えた悪影響は、計り知れない。現場の番組制作者らに大きな負担を強いているからだ。
1月7日の「ザ!世界仰天ニュース3時間SP」(日本テレビ系)は中居の姿と声を全カットし、なき者のように見事に編集していたが、1月21日放送分にも中居が出演しているため、同様の措置が。少なくとも「3時間SP」と21日の通常回を合わせた約4時間分、中居の「消去」をしなければならなかった。
この「仰天」は、それでもまだいい方だ。ツラいのは、すでに収録したにもかかわらず、それが丸ごとお蔵入りになることにある。
東野幸治、ヒロミとMCを組む「THE MC3」(TBS系)は、新年一発目となる1月13日の放送が中止になった。芸能人に抱かれているイメージを本人にぶつけるトーク番組であり、そのために用意していた街頭インタビューのロケVTRは全て台無しに。それに基づく台本や、スタジオ出演する東野やヒロミ、その他の芸能人のトークも永久に使われなくなってしまった。
「おそらく2本撮りでしょうから、2本ともお蔵入りになっている可能性が高い」(テレビ制作スタッフ)
ちなみに同番組は1月20日、中居の降板が発表された。
こうしたお蔵入り案件は、打ち切りが発表された長寿番組「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」(TBS系)も同じだ。
「昨年12月26日に予定されていた収録が、前日の25日に飛びました。1月10日の2時間SPと、次回放送予定の2回分を収録する予定だったと思われます。これもまた、それまで作ってきたVTRなど、全てが無に帰してしまいました。その回に向けて収録するまで、だいたい3週間から1カ月はかかります。お蔵入りは単に放送が飛ぶだけではなく、スタッフの苦労も水の泡になってしまうのです」(放送作家)
松本人志のように自ら活動休止を発表すれば、テレビ局側もそれなりの対応をとり、番組を動かしていくことができるが、中居の場合は難しく、現場の混乱を招いている。もっとも、中居も松本も、真実を自らテレビの場で公にしていない以上、同類なのだが。
「中居が今回の件で〈示談が成立したことにより、今後の芸能活動についても支障なく続けられることになりました〉と思い上がった声明を出していましたが、これこそ現場の制作スタッフの大きな怒りを買った部分。ただ、中居をつけ上がらせた原因、責任の一端はテレビ局にもあったと、内心は複雑ではありますが…」(前出・テレビ制作スタッフ)
とてつもない負の遺産を残し、中居はテレビ界から消えていく。
(根本幹夫)