2月25日、テレビ情報誌「TV LIFE」(学研パブリッシング)が毎年行っている「年間ドラマ大賞」が発表され、2014年の主演男優賞に「死神くん」(テレビ朝日系)で主演した嵐・大野智が選ばれた。大野は作品賞、主題歌賞とともに3冠を達成。だが、これには事情があるという。
「年間ドラマ大賞は、今回で24回目を数える歴史のある賞です。しかし、『TV LIFE』は1994年から16年連続でSMAP、その後4年連続で嵐が年末年始号の表紙を飾るなど、ジャニーズ事務所との縁が深く、当然、読者にもファンが多い。その中で“読者投票で選ぶ”賞ですからね。主演男優賞は12年連続ジャニーズのタレントで、大野さんは4回目の受賞。主題歌賞は5年連続で嵐の曲が選ばれています。昨年は嵐・櫻井翔主演の『家族ゲーム』(フジテレビ系)が『半沢直樹』(TBS系)、『あまちゃん』(NHK)を抑えて受賞していますし、今回、大野さんが選ばれたのも当然というわけです」(出版関係者)
とはいえ、「死神くん」は平均視聴率9.7%と同枠では良い方で、かつ「ハマリ役」と視聴者の評判は良かった。だが、「それもそのはずです」と言って、テレビ関係者はこう明かす。
「まず、『大野くんでドラマを』ということが決まっていました。どういう作品にするか議論した際、制作陣が『大野くんに合いそう』と候補の中に入れ、大野自身が直接選んだのが『死神くん』です。役がハマるのも当然と言えば当然ですね。80年代後半の人気漫画が原作ですが、随分前に作者のえんどコイチ先生にドラマ化の承諾を得ていたものの、『役に合う俳優がいない』とお蔵入りしていたものです。大野くんじゃなければ、『死神くん』のドラマ化は実現しなかったのは間違いないんですが…」
ぼくとつとした雰囲気を持つ大野の魅力と相まって、高評価を得たのは間違いないが、どことなく素直に祝福しづらい今回の受賞であった。