2022年のサッカーW杯カタール大会の正GKで、日本代表をベスト16に導いた権田修一氏が、自身のサッカー人生を振り返った。それは想像を越える、山あり谷ありの半生だったのである。
前園真聖氏のYouTubeチャンネルに出演した権田氏はまず、
「僕の人生をさかのぼると、暗い回になる。あまり明るい話題がない」
小学生4年生で川崎市選抜、神奈川県選抜と順調にステップアップし、FC東京のジュニアユースに合格。中学2年生でU-14日本代表に選ばれた。順風満帆なサッカー人生に見えるが、高校3年生の時は首のケガで1年間、サッカーができなかった。
人生最大の危機は、初めてU-15日本代表に選ばれ、中国で行われたフェスティバルに参加した時に訪れた。アクシデントが起きたのだ。
「これは知らない方も多いんですけど、僕、空港で倒れたんですよ。髄膜炎になって2日間、意識がなくて。けっこう危なかった。本当に死にそうで」
中国から帰国し、空港のトイレの個室で代表の正式な服装に着替えていた時に倒れたのだ。幸いにも、
「両親が空港に迎えに来てくれていて、父が『あれ、息子がいない』ってなって、FC東京のキーパーコーチの方が見に行ってくれたらトイレに倒れていて、そのまま入院」
そんなこともあって、初めて日本代表としてプレーしたことを、あまり覚えていないというのだ。
もしこの時、権田氏に何かあったら、日本代表はカタール大会でベスト16に入っていなかったかもしれない。
(鈴木誠)