2歳のGⅠと言えば、昔から朝日杯フューチュリティSと阪神ジュベナイルフィリーズの2つ。後者は牝馬限定なので、最優秀2歳牡馬は朝日杯FSの勝ち馬が自動的に選出されることになっていたものだ。
ところが、17年からホープフルSがGⅠに昇格したことで、どちらかの勝ち馬がその座に就く形に変わった。昨年までの8年を振り返ると、朝日杯FSから5頭、ホープフルSから3頭。23年は牝馬のレガレイラがホープフルSを制したので、そこだけは自動的に朝日杯の勝ち馬が選出された事情があり、ほぼ五分と言えるのかもしれない。
24年は、ホープフルSの勝ち馬クロワデュノールが最優秀2歳牡馬に選出された。256票の記者投票のうち、249票を集めるという圧倒的な支持だった。3戦3勝の内容はそれほどに濃いもので、すでに「三冠有力」という声も聞こえるほど圧倒的な存在として輝いている。
そのクロワデュノールは早々に皐月賞にぶっつけというローテーションを発表しており、これからの3歳重賞は例年以上に挑戦者決定戦的な意味合いが濃くなっている。
きさらぎ賞は、どうやら少数精鋭による戦い。中でも注目はサトノシャイニングだろう。前走の東スポ杯2歳Sは、クロワデュノールに4分の3馬身だけ差された2着惜敗。逃げて33秒5で上がったのなら、差した馬を褒めるべきだろう。
気になるのは、2戦の手綱を取った松山騎手が、あっさり振って1戦1勝のエリカアンディーヴを選択したことだが、代わって手綱を取るのが西村淳騎手なら不足はない。安定した走りにさらに磨きをかけて、クロワデュノールに再挑戦できるシーンを待ちたい。
エリカアンディーヴは、12月の京都芝1800メートルをセンスある走りで楽勝した馬。父オスカーパフォーマンスは米国の種牡馬で、その父キトゥンズジョイともどもセクレタリアトS(芝2000メートル)などのGⅠを勝っている。言わば、ちょうどいい中距離型だ。
ショウヘイは新馬勝ちこそ逃したものの、2戦目で時計を詰めて楽勝した。友道厩舎で鞍上は川田騎手。ここを勝つようなら一躍クラシック候補に上がれる。
ミニトランザットは、京成杯で3着。9番人気の低評価を覆して、直線は目立つ脚を使っていた。名前ほど小さな馬でもない(460キロ台)し、初戦は逃げ、2戦目は追い込みと、何でもできるセンスのよさも証明済みだ。
他にも上り目がありそうな馬は多く、少頭数でも絞って買うのは難しいかも。