芸能

おしゃべり美女の解放区・ひと言いわせて〈遠山景織子〉コントの現場は真剣勝負1本の撮影に何時間も…

 アサ芸読者の皆さん、新年はどのように過ごされましたか? 女優の遠山景織子です。

 新しい年を迎えたので、私の人生を改めて振り返ってみたのですが、こういうお仕事をさせていただくようになってもう35年になるんです。あっという間!

 ちょっとやらかしてしまったのは、ミュージシャンの高橋ジョージさんと共演した「ロード」という映画でヒロイン役の出演が決まった時です。皆さんご存知の通り、大ヒットした名曲を映画化した作品なのですが、実は私‥‥出演するまでそういう歌があることを知らなかったんです(笑)。私が好きだったのは男闘呼組とか中山美穂さんだったので、あまりそういう音楽を聴いてなかったんですよね。失礼なお話で申し訳ないのですが‥‥。

 その映画では、滋賀県での撮影がいちばん思い出に残っていますね。もう本当に寒くて寒くて。雪がちらついて、手が震えるような状況で撮影をしていたことを覚えています。

 高橋さんの印象ですか?皆さんのイメージは、バラエティーでも活躍されていらっしゃいましたが、ロック歌手で怖い方‥‥と思う人もいるかもしれません。でも、実は全然そんなことないんですよ。この映画と同じように、心が本当にピュアな方だなっていう印象でした。

 そういえば、映画の打ち上げで高橋さんが「ロード」を歌ってくださったんです。その時初めて、こんな歌だって知った? いえいえ、ちゃんと撮影に入る前に歌は聴いていましたよ。でも、目の前で聴かせていただいて、いい歌だなって改めて思いましたね。

 あと、女優としての活動だけじゃなくて、フジテレビの「笑う犬の生活」という番組にも出演させていただいたことも思い出深いですね。ウンナンさんがやっていた「やるやら(やるならやらねば!)」(フジテレビ系)とか、ドリフの番組で育ったので、レギュラーに呼んでくださったのがすごくうれしかったんですよ。だからもう、着ぐるみコントの時に「うわぁ、本当にコントやってる!」って喜んだりしていましたね。

 でも、収録現場は楽しいばかりじゃなくて、めちゃくちゃ真剣で緊張感がすごくあるんです。溜まりっていう出演者の方々が集まるところで台本の読み合わせをするんですけど、最後のオチまで読まないんです。収録の時に初めてオチを見せて、スタッフさんのリアルな笑いを拾うっていう、そこまで徹底してこだわりながら作ってました。だって、たった数分のコント1本を撮影するのに何時間もかけていましたから。

 そういう現場だったので、私もほかの芸人さんみたいに、キャラを作り込んで面白い扮装とかメイクをしたほうがいいのかなって思ったことがありました。思い切って内村(光良)さんに聞いたら、「景織子ちゃんは、そのままでいいんだよ。だから、俺たちとバランスが取れるんだから」って教わりました。

 そういう自然体の役作りで生まれたのが、今もファンだと言ってくださる方が多い、堀内健さんと演じた「ケンとサチ」というコントでした。あれは、スタッフの方に好きな食べ物を聞かれた時に、素直に「ん~、パン」って答えたのが面白かったみたいで。そのキャラをコントにしていただいたんです。そういうコントのほうが後々も印象に残るから不思議ですよね。

 あの番組の時によく感じていたのが、芸人さんって面白いだけじゃなくて本当に演技力がすごいなって。だから私も、役柄に入り込んで振り切った演技ができるようになろうって、いつも思っていたんです。それが少しできるようになったかなと感じたのが、内村さんと演じた「ミツコと小松くん」というカップルのコントでした。仲よく会話をしていたのに、何かのきっかけで突然私が「どういうことよ!」ってキレるっていう(笑)。振り切れないと面白くないから、思いっきりやって。確か、新幹線の中のシチュエーションの時は座席の通路を思いっきり走ったりしましたね。

 そうそう! どうしてこういう芸人さんたちの中に私を加えてくださったのかというと、スタッフの方が「景織子ちゃんには狂気があるから」って言われたんです。最初はどういう意味かあまりわからなかったのですが、そういうキャラを演じられるようになって、あとから納得しましたね。私の中にもちゃんと、狂気があるんだなって(笑)。

 最近は、そんなコントや映画とも違う、舞台のお仕事が多くなっています。今はすごく楽しいのですが、最初の頃は「私に舞台は絶対に向いてない!」って、心から思いましたね。ミュージカル要素のある作品に初めて出演したのですが、納得いくような演技ができなかったんです。今にして思えば、役作りがちゃんとできていなかったから、場面ごとの演技がちゃんとつながっていなかったんだなって思います。

 演出家の人に厳しくされたこと? 最初の頃はありましたね。私たちの世代にはまだまだそういう体質が残っていましたから。稽古場で若い俳優さんで悩んだりしている姿を見かけることもあります。私自身、そういうふうに悩んできたからこそ、今でも演出家の方がおっしゃる意図を理解しようと努力したり、ほかの人が演じているところをじっと観察したりして、試行錯誤を続けています。

 舞台の時に気をつけていること? やっぱりお芝居以外に意識が向かないようにすることですかね。常に現場では、私が演じている役とか作品のことだけを考えるようにしています。

 だから、素晴らしいお芝居って、そういう役者さんたちが苦労して積み重ねた表現の上に成り立っているものだと思うんです。

 この流れで、ひと言いわせていただくと‥‥2月に演劇版の舞台「レ・ミゼラブル」に出演するので、ぜひ観ていただきたいっていうことですね(笑)。「笑う犬」のサチとは違うキャラクターを楽しんでほしいと思います!

遠山景織子(とおやま・きょおこ)1975年、東京生まれ。93年、映画「高校教師」でヒロインに抜擢され日本アカデミー新人賞など多数受賞。以後、ドラマ、映画、舞台、のほか、書籍「遠山さんちの明日のお弁当」(竹書房)を出版するなど多方面で活躍。池袋シネマ・ロサにて公開中の映画「タイムマシンガール」(監督:木場明義)に出演。

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