JR東日本が、インターネットで指定席券の予約ができる「えきねっと」の機能拡充を、今年9月から順次、行っていくと発表した。
主な機能は、新幹線の切符を3カ月前から購入できる「早期予約サービス」。現在は1カ月前から購入可能で、これが大幅に早まることになる。
ほかにも列車の運休や遅延が生じた場合、所定の発車時刻を過ぎた列車の購入や予約の変更がウェブ上でもできるようになる機能が加わる。さらに、えきねっとで予約した列車の運休や遅延が発生した場合、ウェブ上でも手数料なしで払い戻しできるようにも。
どれも便利な機能であることは間違いない。特に新幹線の予約が3カ月前になったことは、大きな機能拡充と言っていいだろう。ところが発表されるなり、早くも「期待外れ」との声が上がっている。いったいなぜか。鉄道ライターが解説する。
「えきねっとは以前から、使いづらいという批判がありました。わざわざみどりの窓口で購入する人は少なくありません。機能を拡充すると聞いて、もっと使いやすくなると期待していたのに、違う点がパワーアップしたので、ガッカリしているようです」
使い勝手を向上させるために、真っ先に手をつけてほしいのは、質問に答えてくれる「とらんくま」だと、この鉄道ライターは言うのだ。
「チャット形式で質問することができるとらんくまですが、決して賢いとは言えず、的はずれな回答ばかり。AIが格段に賢くなった今、アキレるぐらい役に立ちません。早くAIを導入して、ちゃんと使えるようにしてほしい。できれば質問に答えるだけでなく、AIと対話して、まるでみどりの窓口のような感覚で切符を購入できるようにすべきです」
えきねっとだけでなく、JR東日本関係のスマホアプリも「使いづらい」「わかりにくい」と不評にまみれている。これらの不満を早く解消することが、JR東日本には求められている。
(海野久泰)