2012年は世界の首脳が交代する激竜イヤー。日本でも各界において激しいつばぜり合いが繰り広げられている。トップの座に君臨する「最強の矛」と揺るぎない実力を持つ「絶対の盾」のライバル2人。人気バラエティ番組ではないが、生き残りを賭けた8大勝負は必見だ!
バラエティ界の帝王・島田紳助の電撃引退で、そのポストに注目が集まる。西の今田耕司(45)に対し、東からは「くりぃむしちゅー」の上田晋也(40)の名前がクローズアップされてきた。
紳助が残した名物番組は、吉本興業の後輩芸人である今田が世襲した。視聴率もしっかりと残し、「開運!なんでも鑑定団」(テレビ東京系)のレギュラーも順調。特番「オールスター感謝祭」(TBS系)の司会にしても、今後は今田が仕切り続けていくのだから実質上の跡継ぎと言っていいだろう。芸能ジャーナリストの佐々木博之氏が話す。
「吉本としては、所属タレントから抜擢したいでしょうから、最右翼は今田で決まりです。ただ、実力的に見れば、上田も抜群で、少しも負けていません」
05年からピンでレギュラー司会を務める「おしゃれイズム」(日本テレビ)をはじめ、コンビで出演する「しゃべくり007」(日テレ系)や「ぺケ×ポン」(フジテレビ系)など、8本ほどのレギュラー番組のほか、隔週や単発の特番など11本ほどを抱え「2人とも嫌みのないところが魅力ですが、今田がハチャメチャな天才タイプに対し、上田はスマートで計算された洗練さが持ち味。いじられ上手な今田と鋭い突っ込みの上田、視聴者の好みの分かれるところでしょうか」(前出・佐々木氏)
ただ、3年前の冬、「しゃべくり――」のゲストに招かれた紳助が、上田を高く評価していたという話もある。
「めったにホメることのない紳助が、『最も人数の多い30代の芸人の中で上田は1番』、『自分を謙虚に評価している上田は脅威。そういうヤツは失敗しない』とまで語っていました」(日テレ関係者)
それから半年後、「行列のできる法律相談所」(日テレ系)の中では、「10年後は、上田が日本中を仕切っている」とまで絶賛したのだ。放送作家が当時の紳助の胸の内を明かす。
「番組終了後はすぐに消え、夜のつきあいが悪いなんていじられている既婚者の上田ですが、実は、後輩芸人の面倒見のいいタイプ。紳助はそういうタイプが好きで、自分が仕掛けた『M-1』の04年覇者・アンタッチャブルが伸び悩んでいる時に、上田が親身になってアドバイスを送っていることを伝え聞き、『男気があるヤツだな』と感心していました」
翌年、無期限活動停止の憂き目にあったアンタッチャブルの柴田は、夕刊紙で上田の心遣いに感謝していたものだ。
後輩芸人からの慕われぶりなら、今田も負けていない。
「恒例の正月の海外旅行では、今田が後輩芸人の旅費を全額負担している話は有名です」(前出・放送作家)
推定年収1億円という今田だが、今年は上田に水をあけられそうな気配だ。フジテレビ関係者が話す。
「吉本は相変わらず厳しい歩合制ですが、上田は事務所を移籍、ほぼ独立したようなものなんで、CMしだいでは年収3億円ぐらいまでアップしそうです。年下の上田が一歩リードしそうな勢いですね」
ベンチャーと老舗組織のメンツをかけた跡目争いは、長期戦になりそうだ。
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