80年代に入り、フジテレビが「視聴率3冠王」の絶頂期を迎える頃、同時に女子アナたちの存在感も大きなものとなっていく。81 年から放映が開始された「オレたちひょうきん族」では、山村美智子(68)、寺田理恵子(63)、長野智子(62)が順にコーナーを持ち、「ひょうきんアナ」と呼ばれた。また、彼女らの先輩にあたる益田由美(70)も同時期に「なるほど!ザ・ワールド」で人気を得ていた。
「女子アナのタレント化が一気に進んだ時代でした。そんな中で、ひょうきん族の山村などは芸人からスカートめくりをされても、ひょうひょうとしている‥‥そんな〝キャラづけ〟が、求められた時代でもあったのです」(丸山氏)
86年に男女雇用機会均等法が施行される以前に入社した当時のひょうきんアナたちは契約社員。アナウンス室では電話番から上司のお茶汲みまで雑用をこなす一方で、〝番組上の演出〟からお尻タッチも甘んじて受け入れるしかなかった。
山村自身も後に雑誌のインタビューで、「彼らもめくりたくてめくっているわけじゃない。いかに番組を盛り上げようかってこと」と理解を示し、その後のフォローもあったと話している。
女子アナがいじられ役を演じる‥‥昭和のテレビではまかり通っても、現在のコンプラではむろんNGになるのは間違いないところだ。
今回の中居正広の女性問題に端を発した女子アナの〝性上納疑惑〟を顧みれば、こうした古き時代の因習をいまだに引きずっていることがうかがえるではないか。
実際、それを裏付けるように、番組外でも問題行動はあったという。
後に故・坂東三津五郎(当時は八十助)と結婚・離婚で、世間をにぎわせた近藤サト(56)は寺田理恵子とニュースサイト「ニュースポストセブン」(18年1月4日)で対談し、「お尻をタッチするようなセクハラも、バリバリありましたね(笑い)」と話している。その様子から2人が笑い話としている様子は伝わるが、彼女らが活躍していたのは90年代である。平成となってもお尻をタッチ三昧とは、フジテレビがいかに奔放な社風かを知らしめるエピソードと言えよう。