スプリングSは、中山競馬場で行われる小回りコースの1800メートル戦。血統も戦歴もスピード指向で、中距離ばかりを使ってきた馬よりも、短めの距離に実績のある馬の方が適性も有利です。
過去10年、芝1600メートル以下で勝利実績のあった馬は複勝率42%。5番人気以内に支持された馬に絞ると複勝率は67%です。
芝1600メートル以下で勝利実績がなかった馬の複勝率が17%にまで落ちるのは、短い距離を勝つ経験をしておらず、そのため、スプリングSの流れに戸惑う馬が多いから。
血統で見ても道中の追走スピードに優れた血統馬が走りやすいレースです。道中、早い流れの競馬に強い「米国血統」の要素を持った馬が好走しやすい重賞でもあります。「血統ビーム」オリジナルの国別血統タイプが「父米国型」の馬は、19年にエメラルファイトが10番人気で1着、22年にビーアストニッシドが5番人気で勝っているように、過去10 年の父米国型の成績は勝率15%(複勝率31%)で単勝回収率は262%(複勝回収率113%)にもなります。
一方、父欧州型の勝率はわずか4%(複勝率14%)。単勝回収率は11%(複勝回収率26%)と、大幅に成績がダウンしています。それだけ米国血統が有利というわけです。
父がサンデー系の場合も母系から米国血統の血を補う方が有利です。父サンデー系で母父が米国型の馬は複勝率が50%(複勝回収率101%)。
一方、父サンデー系で母父が欧州型の場合は、複勝率が21%(複勝回収率60%)と大幅に成績がダウン。それだけ米国要素が強い馬が有利で欧州のスタミナ要素の強い馬は不利なのです。
スナークピカソは、父が米国型のアジアエクスプレスで、母父はディープインパクト。父がアジアエクスプレスで母父ディープインパクトという配合馬は、芝のスプリント戦に強い馬を複数輩出しています。ピューロマジック、メディーヴァル、キタノエクスプレスは、いずれも芝1200メートル以下のオープンクラスを勝った馬です。
前述したように、スプリングSは芝短距離戦に強い米国型血統馬が走りやすいレース。スナークピカソは芝1800メートル戦で未勝利を脱出したばかりですが、芝短距離戦に強い米国血統馬なので、当レースの傾向にはピッタリと言えます。
亀谷敬正(かめたに・たかまさ)テレビ、専門誌などでカリスマ的人気の血統馬券師。HPはhttp://www.k-beam.com 推奨レース、期待値の高いデータ満載の出走表も配信中。著書「フォーメーションと合成オッズを使いこなして効率的に馬券で儲ける方法」(オーパーツ・パブリッシング)ほか多数。