4月5日土曜の深夜、アラブ首長国連邦のメイダン競馬場で「ドバイWCデー」が開催される。日本からはGⅠ&GⅡの7レースに25頭が参戦予定で、GⅠ4レースの馬券が発売される。その中でも注目の後半2レースを徹底分析する!
JRAによる馬券発売は第6Rから第9Rまでの4レース。まずはメインの第9Rドバイワールドカップから見ていこう。東京スポーツでコラム「海外競馬解析」を執筆する競馬ライターの秋山響氏が解説する。
「フォーエバーヤングの2着争いだと思います。昨年、2着ウシュバテソーロに8馬身半差をつけて圧勝したローレルリバーや、BCクラシックでフォーエバーヤングに先着したシエラレオーネとフィアースネスも不在ですからね」
そればかりか、前走のサウジCでマッチレースを演じたロマンチックウォリアーは、第7Rドバイターフに向かうため、まさに敵ナシ状態。専門紙「競馬エイト」の海外競馬本紙担当・増井辰之輔トラックマンも同じ見解だ。
「これまで10戦8勝。3着に敗れたケンタッキーダービーとBCクラシックも首位争いに加わっていますし、まさにワールドクラスの素質馬です。前走、自然体で先行してレースを支配して勝ち切った内容は高く評価できます。明け4歳を迎えて心身両面の成長は明らかで、自在性を武器に堂々の主役を張るでしょう」
英ブックメーカー「ウィリアムヒル」も単勝1.8倍と断然の1番人気に支持しているが、2番人気はUAE調教馬のインペリアルエンペラーとウォークオブスターズが5倍で並んでいる。この2頭について秋山氏は次のように話す。
「ウォークオブスターズは前走のサウジCで12着に惨敗しましたが、2走前のGⅠアルマクトゥームチャレンジ(ダ1900メートル)を1分56秒21という優秀なタイムで逃げ切りました。ここも行き切れば、という感じですけど、サウジCではフォーエバーヤングが余裕を持ってほぼ同位置につけていましたからね‥‥。インペリアルエンペラーはアルマクトゥームチャレンジで2.89馬身差の2着でしたが、続く前哨戦のGⅡアルマクトゥームクラシック(ダ2000メートル)では、終始外々を回りながら先行抜け出しの競馬で、8.46馬身差をつける完勝劇でした。これでダートに転向後は4戦3勝、2着1回。ただ、前哨戦とはいえ、相手に恵まれた感は否めません」
この外国馬2頭までが単勝1桁台。4番人気以降に日本勢の3頭が並ぶオッズだが、増井TMが相手候補の筆頭に挙げたのはウィルソンテソーロだ。
「チャンピオンズCは2年連続で2着でしたが、勝ったレモンポップとは一昨年がコンマ2秒差、昨年はハナ差というように地力強化は明らか。前走のサウジC(4着)は直線が長いコースの追い比べで見劣りましたけど、コーナー4つの今回の舞台は大歓迎です。昨年(4着)以上のシーンがあってもおかしくないですね」
サウジC3着のウシュバテソーロと、同6着のラムジェットは、どうか。
「前者は一昨年の覇者で昨年は2着。舞台の相性は特筆モノで、今年も自分の競馬に徹して末脚にかけるレースをすると思います。後者はダッシュ力の鈍さがあり、コーナリングは不安材料ですが、前走、直線で二枚腰を発揮するなど精神力の強さが持ち味。展開がスローならまくる脚もあります」(前出・増井TM)
連下候補は多士済々だけに、サウジCの3連単を的中させた秋山氏&増井TMの最終結論に注目したい。
一方の第8Rドバイシーマクラシックは、波乱ムードが漂っている。
「フランスのカランダガンは要注意です。まだGⅠは勝っていませんが、英インターナショナルS、英チャンピオンSと近2走はともにGⅠ戦で2着していますし、3走前に6馬身差で圧勝したGⅡキングエドワード7世Sの走りは優にGⅠ級です。上がり3ハロンは他馬より1秒以上も速いタイムでした」(前出・秋山氏)
2着とはいえ、英インターナショナルSはコースレコードで逃げ切った英ダービー馬シティオブトロイに1馬身差。5着ドゥレッツァが勝ち馬と10馬身半差だったことを思うと、GⅠ級というのも納得だろう。
「英チャンピオンSは勝負どころでスムーズさを欠いたことに加えて、道悪馬場が合わなかった印象。距離適性も近2戦の中距離より、3走前の2400メートルぐらいのほうが合いそうですし、あっさりがあっても驚けません」(前出・秋山氏)
昨年、シャフリヤールやリバティアイランドを破ったGⅠ7勝のレベルスロマンスが連覇に挑む。
「逃げ、先行タイプなので自分で競馬を作れる点はアドバンテージです。特にドバイの芝2410メートルは最初のコーナーまで約250メートルしかないため、ペースが緩みやすく、先行勢が有利になる傾向もあります」(前出・秋山氏)
前走の香港ヴァーズでステレンボッシュを破り、GⅠ初優勝を飾ったイギリスのジアヴェロットも侮れない存在だという。
「前走は最後の直線で不利を受けながらも、立て直して鮮やかに突き抜けました。今回はメンバーが大幅に強化されますが、上位に食い込んでも不思議はありません」(前出・秋山氏)
対する日本勢は4頭。英ブックメーカーはシンエンペラーとダノンデサイルに1桁オッズをつけている。
「シンエンペラーは、前走のGⅡネオムターフCで盤石の逃げ切り勝ちを決め、改めて海外遠征に強いところを示しました。ダービー3着、ジャパンC2着の実績から距離はベストですし、決め手勝負も望むところ。4歳を迎えての成長力にも期待が持てます。同じ4歳でダービー馬のダノンデサイルは、有馬記念3着、前走のAJCCは最速の上がり脚で勝利を収めるなど、世代トップクラスの力量は疑いようがありません。あとは初の海外遠征という課題をクリアできれば」(前出・増井TM)
オークス馬チェルヴィニアも海外初挑戦となるが、初遠征の不安よりも、年明け初戦の前走、京都記念で9着に敗れた軌道修正のほうがポイントになりそう。
そして増井TMが日本勢の中で穴として期待を込めるのが、ジャパンC2着以来となるドゥレッツァだ。
「昨夏の英インターナショナルSは61キロの斤量も響いて伸びあぐねましたが、ジャパンCではスローペースを見越して早めに進出。瞬発力勝負では分が悪いタイプだけに、前走同様、ロングスパートの形になれば一発があるかもしれません」
ドバイWCデーでドカンと当てて、春の臨時ボーナスGETといこう!