前週はアメリカ「ブリーダーズカップ」での、日本馬の戴冠が期待された。ローシャムパークやシャフリヤール、テンハッピーローズらが健闘したターフ(芝)のレースと比べ、ダートに挑戦した日本馬は「BCクラシック」で3着となったフォーエバーヤングを除けば、ことごとく見せ場すら作れず、苦戦を強いられる結果となった。近年は日本のダート馬が強くなっているイメージがあるが、まだまだ本場アメリカの壁は高いようだ。
しかし、次なる本場挑戦に向けて戦いは続くわけで、今週末は土曜日に東京ダート1600メートルのGⅢ「武蔵野ステークス」が組まれている。
「BCクラシック」で米国馬シエラレオーネの単勝馬券をゲットして「ウハウハだった」と笑う関東在住の馬券師ライターT氏は、多くの場合は穴狙いだが、今回の武蔵野Sについては「人気馬は外せない」と意外なことを言うのだ。
「なにがなんでも穴狙いでは、馬券で勝てませんよ。ダート8戦6勝2着2回のエンペラーワケア(川田将雅騎乗)を外す穴党と、信じ切って大勝負する本命党に分かれるでしょうね。武蔵野Sは過去に1番人気が普通に馬券になるケースとまったく来ないケースが、ほぼ半々」
しかし、その見分け方は実に簡単だと、T氏は言うのだ。
「1番人気で消えた馬は全馬、4コーナー8番手以下で競馬をしました。一方、馬券になった馬は9割方、4角3番手以内につけている。例年ほぼフルゲート(16頭)、秋のサラサラダートで後方は砂を被りやすく、差し系の人気馬は内を突けず、強引に外に回す。これが最終的に脚を使いすぎるか、差し届かない結果を招くのです。しかし、3番手あたりでレースをしていた1番人気は、実力をいかんなく発揮できる。これが買えるか買えないかの有力な判断材料となりますね。エンペラーワケアは過去8戦、全て4角5番手以内で競馬をしている。これは信用に値する」
ではこれでどうやって穴馬券を狙うのか。T氏は「十分に中穴馬券はイケる」と断言して、次のように「指名」した。
「エンペラーワケアの相手には、武蔵野Sの重要パターンとなる、9月以降にひと叩きした(1走した)馬を選ぶべき。ここ7年連続で、8月以前にしか走っていない馬は1頭も連対していない。ある程度、仕上がっていないと勝負にならないレースが武蔵野Sということです。10月に行われた同じ東京ダート1600メートルの『グリーンチャンネルC』で好走した中から、中段より前で競馬をしたタマモロックやぺリエール、地方の交流重賞からの臨戦馬が穴をあけますから、キタノヴィジョンやサンライズホークは買いでしょう。1番人気のアタマ(1着)固定なら、このあたりを全て組み合わせても点数はさして増えない上に、十分に数万円の3連単馬券を取れますよ」
今週のサタデー馬券は、点数をググッと絞れる「一角崩し3連単」でホクホクだ。
(宮村仁)