大阪・梅田の兎我野町で、いわゆる「立ちんぼ」による売春行為への対策として、大阪府警が異例の手段に打って出た。問題となっている路地の路面を黄色く塗装し、周囲を明るく目立たせることで、不審な活動を抑止しようという取り組みだ。これが昨年12月のことだった。あれから4カ月が経過した今、現場はどうなっているのか。
大阪府警によると、塗装前は一度に最大17人、平均でも7人の女性が路上に立っていたが、塗装後の今年2月には平均で0.9人と、9割近い減少を記録したという。近隣の店舗従業員も、変化を実感しているようだ。
「ウチの店舗からは以前、立ちんぼの姿がはっきり見えていました。女性のお客さんが不審そうにしていて、やはり印象は良くなかったですね。何度か『浄化作戦』が行われては減ったり増えたりを繰り返していました。大阪万博前の一斉取り締まりもありましたが、『どうせまた戻ってくるんじゃないか』という声が出ていましたから」
その一方で「場所を変えただけ」という指摘もある。ミナミの性産業関係者はこう話すのだ。
「近鉄難波ビル周辺や、通称『ザ裏』と呼ばれるなんば楽座の周辺で見かけるようになりました。あの辺りはデリバリー系やマッチングアプリの待ち合わせ場所として有名で、警察の目が届きにくい。しかも兎我野町と違ってヤクザが仕切っていないので、フリーの女の子たちにとっては動きやすい場所なんです。我々のような性商売の人間からしても、正直言って商売の邪魔だと感じることはありますね」
目に見える効果が出た一方で、根本的な解決には至っていないともいえる今回の対策。路面塗装はあくまで「場の雰囲気を変える」という手法にすぎず、活動が他のエリアに移動しただけでは、いたちごっこが続いて…。