来春開催の第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)1次リーグの日程が発表された。連覇を目指す侍ジャパンは、台湾代表といきなり対戦することが決まった。台湾は昨年11月のプレミア12大会の決勝で敗れた因縁の相手である。
「台湾は今回のWBCに出場するため、予選を勝ち上がらなければならないポジションにいました。前回のWBC後、若い世代の育成が進んでU-12、U-18も強くなり、10代で国際試合を経験した投手が国内リーグで結果を出したりも。その流れで本代表は急激に強くなっていきました」(球界関係者)
侍ジャパンとしてはプレミア12大会のリベンジを果たしたいところだが、「日程」がネックとなるのは1次リーグだけではなかった。WBCを主催するWBCIのリリースなどを見てみると、前大会と異なるのはまず「準々決勝」の扱われ方だ。
前大会の侍ジャパンは準々決勝を東京ドームで戦い、そのまま球場から空港に直行して、準決勝と決勝の舞台であるアメリカに向かった。
しかし2026年大会の「準々決勝」はアメリカで行われる。予選プールCに振り分けられた侍ジャパンは、プールD(ベネズエラ、ドミニカ共和国、オランダ、イスラエル、ニカラグア)の上位2チームと対戦する。予選1位通過ならプールD2位チームと、2位通過なら同1位チームと準々決勝で激突することになる。
その予選プールDの全試合会場は、準々決勝の舞台であるアメリカのローンデポ・パーク。予選プールCの試合会場は東京ドームだが、前大会決勝戦の相手だったアメリカは、ヒューストンのダイキン・パークが試合会場となる予選プールBに振り分けられた。また、予選プールAは米国プエルトリコ島のサン・ファン市が舞台だ。
つまり、長距離移動を「強要」されるのは、侍ジャパンの予選プールCだけ。しかも最終試合日は3月14日で、準々決勝は16日だ。ローンデポ・パークのあるマイアミと東京の移動時間は、飛行機の直行便で約15時間。おそらく前大会同様、球場から空港に直行となるだろう。
時差も加味して考えなければいけないが、WBCIの発表通りなら、予選最終試合から35時間ほどで準々決勝を迎える「弾丸スケジュール」となる。
「準々決勝で先発させる投手を先に現地入りさせるか、メジャーリーグの日本人投手の誰かを予選から外して現地待機させる可能性もあります」(前出・球界関係者)
侍ジャパンの真の強敵は「日程」のようである。
(飯山満/スポーツライター)