22年より実施されてきた「職場環境アンケート」の結果も公開された。やはり、フジの制作現場でハラスメントが蔓延していたことが読み取れる。
「アンケート結果で、『身体的接触』『性的会話・容姿への言及』『不適切な連絡・食事への誘い』といういずれの項目でも報道局の被害割合が目立つ結果でした。その原因は反町さんと、今回の役員人事でも残った○○さんの存在が大きい。特に○○さんはハラスメントを具現化したような人物。私と同じくNY勤務時代があり、『○○さんはヤバい』という声を現地で何度も耳にしました。本社に戻る前の送別会でも、日本人キャバクラのVIPルームでハメを外しすぎたとか。正義感と努力家のかたまりでもあるのですが‥‥」(長谷川氏)
第三者委員会の報告書が公開される4日前、新役員体制が発表された。〝フジのドン〟こと日枝久取締役相談役(87)は退任。フジ・メディア・ホールディングスに金光修会長(70)、フジテレビに清水賢治社長(64)が誕生したが、経営刷新には程遠いようで、
「6月の株主総会で99.9%やり直しを迫られるでしょう。すでに、米投資ファンド『ダルトン・インベストメンツ』が経営陣交代を要求しています。そもそも清水社長は、役員たちから『置物』と呼ばれている人物です。悪い人ではないと思いますが、単なる日枝一派にいる金光会長の子飼いにすぎません。31日の会見でも『人身御供』さながらに、1人で矢面に立たされました。うまくやり過ごしたつもりかもしれませんが‥‥」(長谷川氏)
新役員の半分がプロパーからの昇格なのも問題視されているという。
「女性枠で若生伸子さん(63)と安田美智代さん(55)が起用されていますが、いずれも日枝ラインに他なりません。若生さんは秘書室で日枝さんの〝娘〟ポジションにいた人物です。同時多発テロのリポーターとして有名な安田さんも、現会長と社長につながるラインにいます。『とくダネ!』の4代目プロデューサーの大野貢さん(60)も含め優秀な方々ですが、フジ内部からも『代わり映えがしない』という不満の声が上がっています」(長谷川氏)
今後は、清水社長の会見で何度も耳にした「ステークホルダー」との株主代表訴訟も控えている。
「港前社長を含む前役員陣は、訴訟対応に追われることとなります。第三者委員会の報告を見るに明らかですが、フジ側に敗戦の色が濃い。仮に株主側の弁護士が小学生だったとしても、勝てないと思います。金光会長や清水社長も被告として敗訴する側になる。そんなトップで再建や改革などとは夢のまた夢。このままだと6月以降は、大株主から送り込まれた経営のプロに手綱を握られることになるでしょう」(長谷川氏)
フジ・メディア・ホールディングスからフジテレビが売りに出されるシナリオまで想定されるが、
「例えば、ライブドア騒動の際にホワイトナイトとなった、SBIホールディングスの北尾吉孝代表取締役兼CEO(74)などの日本人投資家が救いの手を差し伸べてくれるかもしれません。しかし、そうなると5年もしないうちに『フジテレビ』という屋号は消滅してしまうでしょう。まさに旧ジャニーズ事務所がそうだったように」(長谷川氏)
女子アナ1人の人生を蔑ろにしただけでは終わらない。「社風」で片づけてきた重いツケを、今度こそ払うことになる‥‥。