「追い込み型の指導がまた、裏目に出そうですね」
暗い表情でこう話すのは、巨人の球団関係者である。3軍に降格した浅野翔吾外野手を評したものだ。
開幕スタメンを狙っていた浅野はオープン戦で打撃不振に陥り、アピールに失敗して2軍行きに。それでも調子は上がらず、出場20試合で打率0割9分1厘、0本塁打、6打点だった。3軍に落ちてからは、すり足打法から左足を上げるダイナミックな打撃フォームに大改造。4月27日の独立リーグBC神奈川戦で満塁ホームランを含む2安打を放ち、早期昇格へ前進したのだが…。
「危機感を持たせるために、阿部慎之助監督が浅野の3軍降格を決めたといいます。ベテランに甘く若手に厳しい阿部監督らしい措置ですが、若手は萎縮してしまって逆効果になっているような気がします」(前出・球団関係者)
浅野と同じようにキツい指導方針で伸び悩んでいるのが、秋広優人だ。現代っ子特有のマイペースぶりと軽めの発言に、根性論大好きな阿部監督がイラつくことは多い。
「持っているポテンシャルからすれば、3割、40発を打っていてもおかしくないのですが、巨人という層の厚い球団で監督と性格が合わないため、出場チャンスを得られずにくすぶっています。広島や楽天、育成上手な日本ハムあたりに在籍していれば、すでに覚醒して大谷翔平級の選手になっていたかもしれません」(スポーツ紙デスク)
才能豊かな浅野と秋広が塩漬けになっている巨人。せめてどちらか一方だけでも開花させてほしいが…。
(佐藤実)