ホットコーナーといえば三塁だが、巨人の内野では二塁が最もホットな一角だろう。片岡治大(32)と井端弘和(39)のサバイバルだ。
「原監督は昨年、片岡を我慢して使ったにもかかわらず、打率は2割5分2厘。打撃が淡泊なので、オープン戦4割6分4厘と絶好調(3月13日現在)の井端でほぼ決まりです。片岡は事実上、見切られてしまった」
こう話すのは、球団関係者である。
「原監督は昨年、井端をサブ的に使いましたが、『今年はそういう目で見てないから』と話し、複数の評論家にも『今年は井端でいく』と漏らしていました。片岡は、井端が休養する際のスペアでいい。しかも井端は内野はどのポジションでもできるので使いやすく、村田の調子が本当に悪ければ三塁に回してもいい。生意気な坂本勇人(26)にも守備を教えられるし、坂本も井端の言うことなら素直に聞く。井端は内野に“化学反応”を起こせるのです。原監督は『近年、一番の補強じゃないか』と、昨年から加入した大ベテランの力を再認識し、喜んでいますよ」
巨人で最も熾烈な争いが勃発しているのは10人以上がひしめく外野陣である。
「一軍ベンチ入り25人のうち、投手12人、捕手3人態勢なら、残りの野手は10人。外野手は最大で5人でしょう」(スポーツ紙デスク)
というが、そこにひしめくのが長野久義(30)、セペダ(34)、亀井善行(32)、鈴木尚広(36)、松本哲也(30)、橋本到(24)、アンダーソン(32)、大田泰示(24)、矢野謙次(34)、堂上剛裕、金城龍彦(38)、そして打撃コーチ兼任の高橋由伸(39)といった面々。スポーツライターが解説する。
「まず、足のスペシャリストとして欠かせない代走・鈴木の1枠は埋まっている。原監督が絶大な信頼を寄せる長野は昨年11月に手術した右肘と右膝の状態が回復。3月20日のオープン戦で一軍に戻る予定で、復帰すれば確定でしょう。左肘を手術したアンダーソンはまだ守備に就けず開幕は怪しいが、昨年3割1分9厘を残しただけに、復帰すればレギュラー濃厚。左翼のポジションがかぶりそうなセペダはアンダーソンしだいですが、去年と同じく内角を攻められ、落ちる球が来るとまったく対応できていないので失格ですね」
亀井は右翼と一塁のスペア、そして4番候補にまでなった大田は、情勢しだいでは守るところがないという事態にも‥‥。昨オフ、中日から戦力外通告を受け、育成契約で巨人に入団した堂上については、
「原監督から『今、いちばんチームを引っ張っている』との言葉まで出ましたが、守備難が不安を増すばかり。紅白戦では目測を誤ってバンザイしていました。一塁と併用していますが、飽和状態の外野を考慮すると、阿部の控えとして一塁を守るのが妥当ではないか」(巨人担当記者)
3月12日にオープン戦チーム第1号となる本塁打を放った高橋由も好調で、
「左翼、右翼で起用できます。持病の腰痛という爆弾を抱え、フル出場は無理ですが、代打としても勝負強いのでベンチ入りはするでしょう。同じくベテランの金城はスイッチの代打として置いておくのかどうか。わざわざFAで獲得していますしね」(スポーツ紙デスク)
各ポジションの厳しい対決にさらされる選手たち。はたして勝ち抜くのは誰か?