どこか“負け惜しみ”に聞こえなくもないが‥‥。読売グループ関係者は次のように補足する。
「そもそも原さんは昔からの“ゴジラ嫌い”。第一次政権時の02年オフ、当時チームの主砲だった松井に土下座せんばかりの勢いで残留要請をしながらもFA宣言されてヤンキースへ移籍されたことをいまだ根に持っていますからね。その一方で、松井が帰国した際に何度か開かれた会食の席で原さんが『ゴジ、やってくれないか』と口にしていたのは、ナベツネさんや他の幹部たちが松井をあまりにプッシュするものだから、しかたなく動いていたんですよ。でも、なかなか松井はクビを縦に振ろうとはしなかった。イライラの爆発寸前に松井がヤンキースをチョイスしたのだから、原さんとしてはとんだ赤っ恥をかかされたわけです」
松井氏が宮崎キャンプの視察に訪れた際も原監督はほとんど口をきかなかったという。
「松井は中畑監督からのしつこすぎる要請を受けてDeNAのキャンプ視察を決意しましたが、カドが立たないようにするため巨人にも顔を出した。“ついでに”来たことに原さんは大層ご立腹だったようです。チーム内で原さんは側近に『ゴジは(巨人の監督に)適任じゃないよ』と本音を漏らしているほどだといいます」(別の球団関係者)
原監督と松井氏とのミゾは相当に深まっていると見て間違いないだろう。 一方の松井氏も“心は巨人にあらず”のようである。それが証拠に今年の宮崎キャンプで巨人チーム関係者の一人は松井氏から、
「次期監督はヨシノブでいいでしょう」
と発せられた言葉をしっかりと耳にしていたという。同関係者は、
「今考えれば、もうこの時点で松井はヤンキースのオファーを受けるつもりでいたのだろう。あれはもう紛れもない本音」
と振り返った。
偶然にして開幕直前のチーム状況は芳しくないが、原監督には松井氏の力を借りようなどとは金輪際、考えもしないのだろう。