11年4月から6月まで、フジテレビの深夜アニメ枠「ノイタミナ」などで放送されたアニメ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」(通称「あの花」)が、同局のスペシャルドラマとして初めての実写化が決定した。
13年8月に劇場版が公開されたが、アニメのオンエア終了から4年経った今でも、聖地巡礼のためにアニメの舞台となった秩父市に訪れるファンは多い。西武秩父駅前の秩父観光情報館では、今でも「あの花」コーナーが設置されており、聖地巡礼マップの用意はもちろんのこと、観光専門アドバイザーがアニメの世界をより反芻できる巡礼の順番まで教えてくれるほどだ。
「アニメ作品の聖地巡礼客を見込んで町おこしを目論む例は多々ありますが、失敗するほうがはるかに多い。『あの花』の舞台となった秩父に巡礼客が集まるのは、ズバリ作品の物語性が高かったから。幼なじみの死を体験した高校生たちの成長や絆、罪の意識や恋愛感情などを繊細に描いた作品の舞台を、この目で確かめたくなるのが一番の理由でしょう。地元自治体や企業が協力的なことも理由の一つ。とあるアニメの舞台になった某市は、地元の自治体も企業も『巡礼客なんていらない!』と、とにかく非協力的でしたからね」(アニメプロデューサー)
「この夏も『あの花』ラッピング電車は飯能~秩父を、ラッピングバスは秩父市内を走りますよ」とは、秩父市観光課。秩父の夏は今年もアツくなりそうだ。