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有名人15人「臨終の瞬間」壮絶舞台ウラ(4)梨元勝 一人娘が受け継いだ「反骨のレポーター魂」

 敏腕芸能レポーターとしてその姿をワイドショーで観ない日はなかった梨元勝氏(享年65)。芸能人の死を報じる立場だった梨元氏は、みずからの死に直面してもなお仕事を諦めず、己の姿勢にこだわり続けた。そして、その遺志は一人娘にどう受け継がれたのか――。

「父は死ぬまで自分の信念を貫いた偉大な人。父の娘で本当に幸せだと思います」
 そう語るのは、梨元氏の長女でタレントの梨元麻里奈。18歳の時に「梨元勝のスター千夜一夜」で父と共演して芸能界デビュー。それ以降、バラエティなど多方面で活躍中だ。その一人娘が父親、梨元勝の素顔をこう話す。
「子供の頃は反発ばかりしていました。それは寂しさの裏返しでした。父は、ほとんど家にいなかったし、会話も少なかったから‥‥。でも、学校の行事には必ず来てくれて、うれしかったですけどね」
 仕事に明け暮れる梨元氏は、時に家族を犠牲にした。その代わりに、年に1回の海外旅行は欠かさなかったという。
「旅行中も携帯を4台持って原稿を書いてましたね。私の誕生日と両親の結婚記念日が近いので合同のお祝いも毎年やりました。プレゼントの時計などは私の宝物。大事すぎてふだんは使わないんですけど(笑)」
 業界NO1の芸能レポーターとして各地を飛び回っていた梨元氏に肺ガンが見つかったのは、10年の6月2日のことだった。
「母も私も最初は肺炎かと思ったんです。検査結果の日、私は仕事中で母から携帯に電話をもらってそのことを知りました。もう頭が真っ白になって‥‥」
 入院しても、1カ月は病室でラジオの仕事もこなした。病室からスタッフに指示を出し、ネットでは自分の闘病生活も公開した。
 だが、抗ガン剤によるつらい治療とガンの進行で、その作業もしだいにままならなくなっていった。梨元氏は娘の麻里奈に仕事を託した。
「私は舞台女優をやりたくてこの世界に入ったので、父のような仕事は最初はやりたくありませんでした。
 でも、こういう状況になり、父のために何かしてあげたくて、頼まれた時には迷わず引き受けました。父が自分の情報を私に書き留めさせて、その情報をもとに私が名古屋テレビの『ドデスカ!』に出演し、お話するんです。父は『いいね、完璧だ!』と、もうほめまくりで(笑)」
 梨元氏の仕事への尽きぬ熱意とともに、一人娘への深い愛情が伝わってくる。だが、病は残酷であった。
「ある時、『最後まで残していた原稿の仕事を全部やめると伝えてほしい』と頼まれたんです。『もう力がないんだ』って‥‥。『背中をさすってほしい』と言われ、そうしてあげると『麻里奈にさすってもらえて、幸せだぁ、幸せだぁ』と、しみじみ言われました。帰り際に握手をしたのですが、父の握る手がとても弱々しくて‥‥」
 これが親子の交わした最後の言葉となった。
「翌日の明け方5時に病院の母から『もう危ないから早く(病院に)来て』と電話がありました。病院に着くと心臓マッサージの途中でした。すでに、心肺停止状態だったんです。『どうにか助かってほしい!』と心で叫ぶぐらいしかできなかった‥‥」
 生涯の全てを芸能ニュースに捧げた梨元氏は、10年8月21日、永遠の眠りについた。
「父は大きなメディアや圧力に決して負けることなく意志を貫きました。また、テレビの報道規制が強まるのを察知し、ウェブで芸能情報を配信するなど先見の明もありました。芸能レポートでは誰にも負けなかった父。私も父のように意志を貫き、自分の進むべき道を見つけたいなと思います」 亡き梨元氏の思い、そして信念の強さは、今しっかりと娘の麻里奈へと受け継がれている。

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