7月5日に放送された第1話が16.9%の高視聴率をマークしたドラマ「デスノート」(日本テレビ系)。ネットには「意外に面白い」という肯定意見もあれば、「やっぱ終わった」という声もあるなど、賛否両論だ。これほど話題になっているのはドラマ化が一定の成功を収めたからという見方もできるだろう。
そんななか、ドラマ公式サイトに用意されている掲示板の言論統制が酷いという声があがっている。放送開始前から否定的な意見が一切載っていないと話題になっていたが、いざ放送が始まってみると、コメントは大絶賛のオンパレード。まさに「デスノート様 万歳(マンセー)」と言わんばかりの、礼賛で埋め尽くされているのだ。
その内容は、「賢人クンがかっこよすぎてサイコー」「窪田君の演技には力が入っていた」「映画よりドラマ版のキャスティングのほうが好き」など、読んでいるほうが気恥ずかしくなってくるような大絶賛コメントばかり。なかには「最高視聴率おめでとうございます」という、関係者ですかと聞きたくなるような応援コメントまで載っている始末だ。
ちなみに同掲示板には利用に際しての注意書きが用意されており、誹謗・中傷の禁止や著作権違反の投稿はできないなどと断っているものの、ドラマを批判してはいけないとは一言も書いていない。それにも関わらず、なぜ礼賛コメントのオンパレードになっているのだろうか。
実は日テレ側は抜け道を用意していた。それは、投稿が掲載されない理由について、「いかなる場合もお答えできません」との逃げを打っていたのである。つまり、ドラマ批判は掲載不可という内部基準があったとしても、それを公表する義務はないということなのだ。外部からうかがい知れないルールがあるとは、まさにあの独裁国家のやり口と同じではないだろうか。
それでいて、日テレ側はまるでリアルタイム掲載されているような演出も忘れない。放送後の6日(月)には、夜中の2時や3時に投稿されたコメントも掲載。スタッフが夜通しで対応していた苦労がしのばれる。ただし最新のコメントは6日の夕方が最後で、7日の投稿は17時の時点でゼロ。担当スタッフが代休でも取っているのだろうか。
ともあれ、番組の掲示板だけを見ると、最高のドラマのように思える「デスノート」。少なくとも初回視聴率は今期のドラマで最高値を叩きだしたのだから、番組側も批判をあえて受け入れるくらいの度量を見せてもいいのではないだろうか。
(金田麻有)