8月2日に千葉・幕張メッセで開催されたイベント「モンストフェスティバル2015」で、熱射病により11人が救急搬送された件。原因は炎天下のなか、入場列が数時間待ちとなったことだったが、列に並んだ人たちを苦しめたのは真夏の太陽だけではなかった。
それはトイレ問題である。会場から海浜幕張駅まで続く列に並んだものの、いつ会場に入れるのかという情報がほとんどないことから、ただ不安のなかで待ち続けるしかなかった。ガマンできなくなって列を抜けたとしても、会場周辺に公衆トイレはほとんどない。ともかくトイレ事情は最悪レベルだったと言えそうだ。
参加者がネットに投稿した現場の様子には、床に汚物が散らばっている衝撃的な画像も。その場で催してしまったのかどうかは不明だが、当日の気温を考えると相当な悪臭を放っていたのは間違いない。
あらゆる場所にはペットボトルをはじめとするゴミが散乱。熱射病のせいか嘔吐する子供や、苦しさのあまり泣きわめく女性など、まさにカオスと呼ぶにふさわしい惨状が繰り広げられていた。
イベントは9時開場だったが、8時半に来たという参加者すら午後2時になっても会場フロアにたどり着けなかったという。主催者側は午前11時22分の段階で入場規制を行い、「これからのお時間お並びいただいてもご入場いただけません」と告知。だが午後から来場する参加者も多く、混乱はなかなか収集しなかった。
本フェスは、大人気のスマホ用ゲーム「モンスターストライク」で初のイベント。入場が無料なうえ、ゲーム内で使えるシリアルコードが会場限定特典として配布されるとあって、ファンの人気を呼んでいた。会場内では著名人を招いてのステージイベントや、実際の神社を模したガチャなど様々なブースが用意されていたが、それを目撃できた幸運な参加者は一部にとどまったようだ。
今回の混乱の原因が、主催者側の見通しの甘さにあったのは明らか。このようなトラブルを起こした場合、今後の会場利用を断られるだけでなく、他の施設も利用できなくなるケースもある。大人気ゲームの初イベントが、最後のイベントになってしまった可能性も高いかもしれない。
(金田麻有)