相方の又吉直樹が芥川賞を受賞し、その又吉を「先生!」と呼ぶシーンがおなじみとなったピースの綾部祐二。最近は格差ネタを好んで使っているが、実際には言うほどの格差はなく、綾部自身も立派な売れっ子芸人だ。
9月28日スタートの「別れたら好きな人」(フジテレビ系)では昼ドラの初主演が決定。ほかにも「にじいろジーン」(フジテレビ系)で準レギュラーを務めたり、「ナカイの窓」(日本テレビ系)でも常連になっており、ピンでの出番は数多い。テレビ出演だけでいえば、又吉よりもずっと多いのである。
だがお笑い芸人の世界では、コンビ格差が明らかな芸人は少なくない。たとえばハライチは、澤部佑が9本ものレギュラー番組をもつ売れっ子なのに対し、岩井勇気のレギュラー出演は「おはスタ」(テレビ東京系)など2本のみ。岩井は月のうち20日がオフなこともあるという。とはいえ、ハライチのネタは岩井が書いており、彼らがノリツッコミ芸でブレイクする原動力でもあった。
同様に相方が売れっ子になった例としては、えとう窓口があげられる。そもそも「いったい誰?」という人も多いだろうが、Wエンジン・チャンカワイの相方と言えばおわかりだろう。そのえとうは出身地・大分を中心に活動しており、7月には大分市長から「とり天応援団長」に任命。ローカルタレントに活路を見出したようだ。
テレビ番組で格差ナンバーワンに認定されたのは、マテンロウの大野大介。日米ハーフで知られるアントニーの相方だが、そもそもアントニーがコンビを組んでいることすら知らない視聴者も多いだろう。5月27日放送の「水曜日のダウンタウン」(TBS系)では、ダウンタウンや千原ジュニアなどの出演者全員が、アントニーの相方を知らないと回答。先輩芸人にすら知られていないとは、大野にとって辛い現実だったのではないだろうか。
コンビとしての知名度もありながら、格差をネタにしているのは千鳥のノブだ。相方の大悟は映画への出演も多く、演技力も高く評価されるなどピンでの活動が多い。その差はノブ自身も認めており、「ゴッドタン」(テレビ東京系)では「ノブではアカンのです」と自虐的なコメントも残していた。
一方で千鳥はコンビ仲の良さでも知られている。大悟は、自分が女だったらどんな芸人と結婚するかという質問に対し、「わしゃノブじゃないと嫌じゃ」と明言。そういう姿勢もあってか最近は、ノブがピンで起用される機会も増えているようだ。最後は結局、コンビ同士の信頼がものを言うようである。
(金田麻有)