女子フィギュアスケートの元世界女王・浅田真央(25)が553日ぶりにリンクに戻ってきた。変わらぬ真央スマイルを振りまく一方で、ボディはマッチョ系に大変身。代名詞のトリプルアクセル(3A)を軽々と決められるほどの肉体改造に成功していたのだ。
浅田が復帰に選んだ舞台は、10月3日のジャパンオープン(さいたまスーパーアリーナ)。日本、北米、欧州の3地域対抗団体戦である。14年3月の世界選手権で3度目の女王に輝いた思い出のリンクだ。スポーツ紙記者が話す。
「注目はもちろん、最初の演技の3A。軽快というよりは、静かに流れるような滑りから体が宙に浮き、軸がブレず、着地時の足首もスッとまっすぐで、佐藤信夫コーチが『完成の域』と語るほどでした」
浅田は前日の公開練習時から報道陣を驚かせた。スポーツ紙記者が続ける。
「1年間の完全休養を経て心身充実とはいえ、いつの間にか25歳になり、今大会の最年長出場でしょ。ママになって復帰した安藤美姫のように厳しい引退のシーズンになるのか、なんて心配する声もあった。でも、前日の公開練習で3Aに3度挑み、全て成功させて不安視を一掃しました。それも、成否の鍵を握ると言われた滑走時のスピードが抑え気味でいながら、着地まで軸がブレず、回転加速に足りなかった重さが加わっているように映りました。着地の時も、回転不足と判定されがちな足元の曲がりもなく、美しい3Aでした」
浅田自身も「楽に跳べるようになったなと感じます」と手応えを口にしていた。その進化の秘密は肉体改造だったという。スポーツライターが明かす。
「最も驚かされたのが上半身。前日練習はタンクトップ姿だったんですが、胸元がカチカチに鍛え上げられ、肩甲骨側の盛り上がりにビックリしましたよ。特に3Aの時に両腕でグッとわきを固めた瞬間なんて胸の膨らみというよりは、男性アスリートのような筋肉という感じでしたからね(笑)」
今季のフリー演技はオペラ「蝶々夫人」の曲に乗って氷上を舞う。それに合わせて衣装は淡いパープルで、胸元がV字に開き、艶やかな着物調のデザインだ。前出のスポーツ紙記者によれば、
「姉の舞は胸が大きいことで人気を呼んでいますが、真央ちゃんはこれまでの衣装にはつけていなかった胸のパッドを初めて入れていました。マッチョなボディになってしまったこともあって、女性らしさを強調する狙いもあったのかと」
今回の肉体改造トレは、極秘のうちに進められ、
「トレーニングの内容や場所は明かされていません。浅田は10年のバンクーバー五輪後、持病の腰痛と母親の看病に伴う心労もあって体重を落とし、全てのジャンプが乱れ、トレーナーの下で栄養管理や肉体強化に取り組んでいた時期がありました。スポンサーでもある食品メーカーや国立スポーツ科学センターの専門スタッフがついて、バランスボールを使ったりして定期的に励んでいましたが、大きな効果が得られなかった。その経験を生かし、今回は個人トレーナーの下で基礎から見直したようです。特に体幹強化につながる腹筋や背筋中心のメニューがニュー3Aを生みました」(前出・スポーツライター)
表向きは10年9月から師事する佐藤コーチとの二人三脚だが、休養明け以降は自己管理で調整してきていたという。テレビ局記者が話す。
「高齢の佐藤コーチはいわば『お飾り』のようなもので、1人で自由に練習していた。佐藤コーチも『(以前と違い)彼女のペースで進めている』と話していました。父親の女性暴行スキャンダルこそありましたがゆっくりと休養し、心身ともに充実期を迎えている。このジャパンオープンでも、自身最高だったソチ五輪に次ぐ141点台という好記録で優勝できました」
ショートプログラムでも、7シーズンぶりに2連続3回転ジャンプの解禁宣言が飛び出している。「人生においても、1年間休んでよかった」とほほえむ浅田。姉が胸の大きさで新境地を開拓した今、妹はカチカチとなった胸筋で女王復権を狙う。