マイナンバー導入により以前から懸念されているのが、「会社員のアルバイトがバレる」ということ。今後、全ての民間企業は行政機関に提出する各種法定調書に、従業員のマイナンバー付記が義務づけられる。個人の全収入が明らかになることで、会社が給与から天引きする住民税が給与額に比して高額だとわかれば、副業収入を疑われる可能性が高い、というのがその理由だ。であれば副業で夜の蝶となっている女性陣が絶滅してしまうのでは‥‥と心配になる。
「水商売の中でも売り上げ額が多く、年収数千万円の子もいるキャバクラを、税務署側は見逃しません。店単位でホステスに確定申告の指導をきっちりせざるをえない」(飲食店関係者)
国内に数万店あると言われる風俗店の内情を明かすのは、ベテランの風俗ライターである。
「給与は日払いで手渡し。大多数の中小店は源泉徴収もしていないので、女の子からマイナンバーを聞くこともない。一方で、大手の風俗チェーンは税務署に目をつけられやすいため、対応を協議していくようです。恐らく出るであろう、見せしめ的な摘発が起きてから具体的な対応策を打ち出していく、と話す経営者が多い。しばらくは様子見ですね」
女優の7~8割が兼業だというAV業界も戦々恐々の様子。
「(超人気女優の)上原亜衣だって、最初は土日の副業だったし、各プロダクションは今、税理士に対策をお願いしているところです。OL、人妻のAV女優は確かにどう影響するのか気にしている。そこまでの追及は来ないだろうとの観測のもと、彼女たちには『会社や旦那にバレることはないから心配しなくていいよ』と話しています。それでも実際、尻込みしている子はいるので、やはり兼業AV女優は減りそうだとの認識です」(AVライター)
一方で、心配無用と説明するのは、社会風俗研究家の椿あんな氏だ。
「会社が個人からマイナンバーを取得するのは給与所得者と報酬料金等の支払いのうち、所得税法第204条第1項で列挙されている、源泉が必要なものに限ります。その中にコンパニオンの報酬があげられていますが、風俗業のコンパニオンはこれに該当しない」
経済アナリストの森永卓郎氏は「本業への影響はない」と結論づける。
「住民税など地方税の納付の仕組みが変わりました。これにより本業の地方税は給与から天引き、副業分は個人で税務署に確定申告する方式が選べます。これで多くの会社は気づかないと思います」
副業で数百万円単位の高収入を得ている人には別の手段もある、と話すのは税理士の岩松正記氏だ。
「新たに会社を設立することも一つの方法です。副業分のお金を入れ、老後の資金をためたり税金を払えばいいでしょう。ただし、そこから給与をもらうと源泉徴収をせねばならず、バレる可能性が高くなります」