10月15日放送の「VS嵐」(フジテレビ系)に、新橋演舞場で公演中の市川猿之助主演・歌舞伎版「ワンピース」の面々が登場。嵐とのバトルの合間に、漫画にまつわるトークを展開し、「松ジュンと相葉クンは全巻読んだって」「翔クンは10巻で、大野クンはチョッパーが旅立つところまで」と、嵐とワンピースのファンをおおいに喜ばせた。
しかしこの歌舞伎、開演前から「ルフィやハンコックなど1人3役を演じるってどうよ?」という原作ファンから「歌舞伎で漫画?」という歌舞伎ファンまで、おおいに巷を騒がせていた。さて、開演後の評判は?
「さすが『ワンピース』のファンが多いだけあって、チケットは1等席以外完売。公演開始後の評判もまずまず好評のようです」
とは、劇評も担当する総合雑誌の記者。
「『原作の世界じゃない』『微妙』『漫画のファンは見ないほうが』という原作ファンからの否定的な声や、『これは歌舞伎じゃない』という歌舞伎ファンの声もありますが、そもそもコラボというのは両方の世界観を合体させて新しい表現を作るもの。その意味で文句なく面白い」
さらに、歌舞伎関連の著作も多い演劇評論家もこう評価する。
「スピード感のある立ち回りを含め、全編スペクタクル満載。“白浪五人男”風の名乗りや“先代萩”のパロディなどが盛り込まれてはいるけれど、歌舞伎とは違うものとして楽しめる」
そういえば、先代・中村勘三郎は「オレたちひょうきん族」全盛の頃、舞台で「タケちゃんマン~!」と演じたこともあるとか。歌舞伎の本質は「何でもありの大パロディ」と考えると、この舞台、漫画、歌舞伎、それぞれの世界観から離れ、新しく生み出された表現を楽しんで観劇するのが正解なようだ。
(大門はな)