元AKB48の川栄李奈が、来年4月4日にスタートするNHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」のオーディションに合格し、AKB48卒業後で初のドラマ出演を果たすことがわかった。川栄が演じるのはヒロインの同僚役で、現時点で役名は不明ながら、その役割はかなり重要になりそうだと予想するのはテレビ誌のライターだ。
「前々作の『まれ』では土屋太鳳が演じるヒロインの同級生役として、門脇麦と清水富美加が出演。演技力に定評のある2人が脇を固めたことで、コミカルな展開に流れがちな同作品の空気を引き締めていました。今回の『とと姉ちゃん』ではその逆に、シリアスになりがちなストーリーを川栄がほぐすという役割が考えられます」
本作のヒロインは、雑誌「暮しの手帖」を創刊した大橋鎮子氏がモデルとなっている。大橋氏は銀行員や新聞社勤務を経て、自身の出版社を設立。川栄の役は、出版業界にその名を遺す名編集者の元同僚という大事な役柄だが、前出のテレビ誌ライターは川栄の演技に懸念を示す。
「問題はやはり川栄の演技力ですね。というのも、川栄は映像作品での経験が足りないのです。ドラマ『マジすか学園』や『セーラーゾンビ』、映画『劇場版 私立バカレア高校』などに出演しているとはいえ、いずれもAKB48メンバーが大挙出演する作品で、正直なところ大掛かりなPV撮影程度に過ぎません。一方で本格的なドラマでは端役しか演じておらず、本職の俳優に囲まれた環境で主要な役を務めた経験がないのです」
たしかにAKB48が関係ないドラマでの経験は圧倒的に不足している川栄。だが、主演を務めた舞台「AZUMI 幕末編」では予想を超える好演を見せ、評価されていたはずだ。それについてテレビ誌ライターが続ける。
「アイドルとして数々の公演をこなしてきた川栄は、待ったなしの一発勝負に慣れており、観客を前にしても緊張とは無縁です。激しいダンスの経験から殺陣などのアクションにも対応が可能で、元々が舞台向きなんですね。しかも周りの役者が主演・川栄の演技に合わせてくれるので、存分に力を発揮できる環境がありました。もちろん表現者としての力量は高いとは思いますが、舞台とドラマは真逆と言えるほど環境が異なり、やはり経験の少なさは致命的です」
演劇出身の俳優は、舞台での癖が抜けず、ドラマや映画では浮いた演技をしてしまいがちだという。しかも朝ドラでは歌うシーンもダンスシーンもなく、川栄が自分の得意分野を披露するチャンスもない。ただ篠原涼子や満島ひかりのように、アイドル出身の女優もいなくはないが、川栄の場合はどうだろうか。
「篠原にしても満島にしても、女優として評価されるようになったのはアイドルを卒業して何年も経ってから。2人とも女優として下積みの時代を経験しています。だから川栄も一回、女優として酷評されたほうがいいんじゃないでしょうか。まだ二十歳ですし、そうやって挫折を経験したほうが、将来的には意味があるはずです」(前出・テレビ誌ライター)
もし川栄が将来の篠原や満島になれる器であれば、今回の朝ドラに関しては、演技が下手でも目をつぶってあげてもいいのかもしれない。
(金田麻有)