スポーツ紙デスクが言う。
「練習中に突然、紅白戦や運動会を始めました。みずからアナウンスもしていましたね。運動会で流れた音楽も、前日に金本監督が球団関係者に指示をしてTSUTAYAでレンタルさせて用意したものです」
金本監督は3年前まで阪神の主砲として現役生活を送っていたレジェンドなだけに、若手選手は鉄人の指導に目を輝かせている。その反面、あまりの熱血指導に早くも悲鳴に近い声も出ており、
「金本監督は現役時代から練習の鬼。秋季キャンプでは、その熱意が前面に出てかなりハードです。あまりの練習量に、若手はオフの日も外出する気力がなく、宿舎から一歩も出なかった」(阪神担当記者)
はたして若トラたちは超ハードな「鉄人流」についていけるのか。体力が底をつき、練習に身が入らなくなって、金本監督自身がジレンマに陥る不安も指摘されているが、そんな若トラに対する評価はというと、
「『去年、ベースを踏み忘れた緒方凌介(25)が個人的に好き』と言ったり、『北條史也(21)も練習すればするほどうまくなるから鍛えがいがある。前は(打撃)フォームが小さかったが、自由に打たせるようにしたらバンバン打つようになった』ともうれしそうに語っていました。『まだまだ一軍には遠い』と釘は刺してましたけど」(トークショーに参加した別の阪神ファン)
さらに新指揮官は、掛布雅之二軍監督(60)が期待をかける横田慎太郎(20)を「まだ時間はかかるが、将来はトリプルスリーを狙えるほどの逸材」と絶賛。今季の『勝利の方程式』候補の歳内宏明(22)に対しても「殻を破れば結果は必ず出る」と断言し、今季15試合に先発登板した岩崎優(24)は中継ぎでの起用を検討していることを明かした。阪神ファンが続けて証言する。
「来季の順位が上がらなければ若手の責任だと言っていました。ただ、ビックリしたのは『野球は甘くない。来年の阪神は弱いですよ』と、きっぱり口にしたことですかね」
まさかの「来季V逸」宣言である。監督就任時に「勝ちながらチームを再建する」と言っていたはずなのに、もう撤回とは‥‥。
その裏には11月25日の球団納会で選手、コーチ、球団スタッフの前で行った挨拶での、異例のセリフがあった。
「鳥谷、福留、ゴメス、投手でいえば藤浪、メッセンジャー、能見、岩田、福原。それ以外は全部ポジションは空いています。ガツガツ獲りにきてください」
来季のわずかなレギュラー候補を公表して選手の競争心をあおると同時に、まだ不安定な戦力であることを明かしたのだ。
昨年、中継ぎでフル回転した大ベテランの安藤優也(37)や上本博紀(29)、西岡剛(31)、大和(28)の名前も呼ばれず、4年ぶりに阪神に復帰し先発転向を伝えられた藤川球児(35)も、ポジションを保証されていない。
鉄人の「超変革」の前には、まだまだ問題は山積しているのだ。