かつて巨人在籍の最終年にキャプテンを務めた小久保監督は、訓示を垂れるようにチームメイトにゲキを飛ばしていたが、オフにあっさり退団。当時、原監督は、
「あいつは上に立つ人間じゃないよ」
と、こぼしていたという。
「原自身、勝手知ったる侍ジャパンが窮地に立たされている現状については深く憂慮し、何とかしてやりたいという気持ちを抱いている。だから次期監督にはやる気満々だし、現監督の小久保に対しては“四の五の言わずにさっさと辞めろ”という思いしかないようだ」(巨人有力OB)
微妙な関係にある小久保監督が辞任に追い込まれ、その後任として再び侍ジャパンの指揮官となって、再来年のWBCで“リベンジ”を果たせば原氏にとっては“一挙多得”。小久保監督に赤っ恥をかかせて過去の意趣返しができるばかりでなく、侍ジャパンの救世主として自身の評価がグンと高まるのも確実だ。この流れはみずから目標と公言している20年の東京五輪・野球日本代表監督就任に向けて大きくハクを付けることにもつながる。
「来年8月のIOC総会で東京五輪における野球・ソフトボールの競技復活が正式に決まれば、NPBは早ければ再来年のWBC終了後にも野球五輪代表・侍ジャパンの監督を選定することになる。かねてから原さんが『許されるならば、東京五輪で監督をやってみたい』と口にしていることはNPBの幹部も耳にしているし、もし原さんが次のWBCで監督として世界一奪回を成し遂げれば、そのままスンナリと東京五輪でも続投することになるだろう。自民党とホットラインがある原さんには将来的に同党の推薦で政治の道へ進みたい願望もあるそうだから、WBCと東京五輪の両国際大会で侍ジャパンの監督として日の丸を背負うことは、さらなる野望を実現させる意味でも大きなプラス材料になる」(球界関係者)
一方、小久保監督は侍ジャパンの主力選手たちから、「監督は口先ばかりで策がない」とまで陰口を叩かれる始末なのだという。
各対戦国の出場選手もレベルアップするWBCを前に現指揮官の求心力低下は止まらない。NPBは再登板に意欲十分な原氏に早くバトンを渡すべきだろう。