11月、日本を皮切りに現在ワールドツアーを繰り広げている世界的マジシャンのセロ。柔軟かつ斬新な発想力で常に新しいマジックに挑み、それまでステージが中心だったマジックに、街中で披露する“ストリートマジック”という新しいジャンルを拓き、次々と新しいマジックを創り出してきた、革命的とも称されるマジシャンだ。
「セロは、確実にマジックの進化に貢献したマジシャンの一人です」
と言うのは、ある週刊誌記者。
「初代引田天功の脱出系、Mr.マリックの不思議系、そしてセロのストリートマジックは、世界のマジック界に大きな影響を与えた存在です。最初は驚きだったストリートマジックも、今は世界中のマジシャンがやっていますからね。以前、ある番組でセロがマジックを披露した時、平愛梨が『このネタ知ってる!』と騒いでセロを怒らせたことがありますが、実際は平の言うネタとは違う、セロ独自の仕掛けだったようです。常に進化すべく努力し続けているんです」
セロ自身も「ギターを買ったからギタリストになれるわけじゃない。絵の具を買ったからアーティストになれるわけじゃない」と語っているように、ネタをいかに見せるかにプロとして努力を重ね、技を磨いているのだ。さらに「努力だけではない」と、さるプロマジシャンは語る。
「努力ももちろんですが、セロがすごいのは常人を超えた発想力とそれを実現する力。以前、知人が移動中のセロと飛行機で隣の席になったそうです。彼は食事で出たステーキを見て『手を使わないで切る方法はないだろうか』と真剣に悩んでいたそうです。そんな彼だから、セロのマジックはプロでもタネがわからないことも少なくありません。クリエイティブな天才なんです」
世界を驚愕させるセロのマジックのタネは、たぐいまれな努力とセンス、ということか。
(大門はな)