2015年を締めくくったフィギュアスケートの全日本選手権。開会前は羽生結弦のさらなる世界記録更新に注目が集まった。しかし、結果は残念ながら総合286.36点。自身の持つ世界最高得点330.43点には遠く及ばなかった。
「昔から全日本には魔物がいると言われていて、思いもかけない有力選手がミスをして番狂わせが起こることも少なくありません」(スポーツライター)
さすがの羽生でもその魔物は追い払えなかったということか。
「羽生はGPファイナル後のインタビューで、大会ごとに感情の込め方が違うと語っていました。例えばカナダ大会の演技終了後の気迫あふれる顔は『襲い来る魔物どもを皆退治してくれる』という怒りの感情を込めていたそうです。全日本では、魔物征伐のパワーが少し足りなかったのかもしれません」(前出・スポーツライター)
羽生を追い続けるスケートウォッチャーはこう語る。
「今回はNHK杯やGPファイナルほどではないにしても、SPは3回目の100点超えで1位発進でしたから、感情の込め方が少し足りなかったのかもしれませんね。とはいえ、世界最高得点を出し続けることはできませんから、これで世界選手権を前に変なプレッシャーから解放されてよかったと思います」
年が明け、新たな気持ちで挑む羽生のさらなる進化に期待したい。
(芝公子)