フィギュアスケート世界選手権2016で、今シーズン、シニアデビューしたロシアのメドベージェワ選手が圧巻の演技を見せた。安定したジャンプをはじめとした技術、シニアデビューとは思えない表現力や丁寧な滑りで、世界歴代3位の総合得点223.86点で優勝したのだ。
しかし、彼女の偉業はそれだけではない。
「メドベージェワは女子のフリー(FS)での世界歴代最高得点を叩き出したのです。これまでの最高得点は、バンクーバー五輪でキム・ヨナが出した150.06点でした。今回、メドベージェワは150.10点で6年ぶりに世界記録を塗り替えました」(スポーツ紙記者)
キム・ヨナの新記録以降、フィギュアスケートで表彰台争いに絡むような選手を出せずにいる韓国ファンはさぞ悔しいだろうが、彼らの神経をさらに逆なでしそうな事実をもあるという。
「過去の世界歴代最高得点と点数を比べることには、まったく意味がありません。キム・ヨナ選手は確かにバンクーバー五輪で当時の世界歴代最高得点を出しましたが、その直後にGOE(要素の出来ばえに対する点数)が30%減らされるなど、ルールが大幅に改正されて得点が出にくくなっているんです。現行のルールで再計算すると、キム・ヨナ選手がFS最高得点を出した演技も141.85点程度。16年四大陸選手権のFSで宮原知子が出したシーズンベスト142.43点も下回ると言われています」(前出・スポーツ紙記者)
メドベージェワは現在16歳。まだまだ成長するであろう彼女を脅かす選手が日本人から生まれてくることを期待したい。
(芝公子)