ところで、現代人の3人に1人が糖尿病と言われる時代。そして糖尿病は突然死を起こす最大の原因だとされる。
「そのためには血液中の血糖値を急激に上げないことが大事です。血糖値を上げるのは、主食となる御飯などの炭水化物。ならば血糖値を上げないような主食の食べ方をすればいい。それが野菜、魚や肉、最後に御飯という順番です」
なお、御飯茶碗を手に持って食べると、常に御飯を通過するため、つい食べすぎの原因になる。
「御飯は置いて、おかずのようにして食べるべきでしょう」
仕事が終わり、1日の疲れを癒やすため、夜の街でちょいと一杯。でもちょっと待った! その飲み方にも注意が必要だ。
今や、二日酔い防止には「飲む前にウコンやシジミ汁」というのは定説。だが、これには医学的根拠はないのだとか。
「特にウコンについては肝臓に悪いという報告もあり、あれは『さぁ飲むぞ!』というおまじないみたいなもの。その点、たんぱく質である牛乳には、アルコールの吸収を和らげる効果が期待できます」
飲み会の前には、ぜひコンビニで小パックの牛乳を買って臨みたい。
というわけで、準備が整ったら店選びである。
「落ち着いた雰囲気が好きという人もいれば、若い女の子に囲まれたほうが酒が進む人もいるでしょう。ですが、突然死の観点から考えると、ハジけるような飲み方は交感神経を高め、眠りの質を悪くすることは明らか。ですから、女の子たちと騒いで興奮しすぎると眠れなくなるということにもなりかねません。つまり、静かな店で自分のペースで飲んで眠りに就いたほうが、突然死はしにくいということです」
平穏な心境で繁華街でのひとときを過ごし、興奮度を高めることなく無事に帰宅。風呂に入って疲れを取りたいところである。
温泉の温度はおおむね41度に設定されているが、これは42度以上の風呂に入ると、人間は交感神経が緊張するため、安全を考慮してのことなのだとか。
「熱い風呂に入るとどうしてもいきんでしまいますが、実はいきむという動作は、全身の血管が筋肉と一緒に収縮し、血圧を急上昇させること。なので風呂に入る時は『あ~』と息を吐き、あがる時は『どっこいしょ』と足に力を入れながら、ゆっくり出る。スッと立つと、頭から血液が下に落ちてしまって危ないので、注意すべきです」
定番の声を出すことはオッサン臭いなどと言われるが、実に理にかなった行動だったわけである。
ちなみに、風呂での死亡事故は交通事故の約5倍。
「つまり、道を歩いているより、お風呂のほうが危ないということ。風呂で血圧が下がると眠くなり、そのまま失神してしまうケースもあります。そうなると、自分の力で起きることができません」
できるだけ長風呂は避け、無理のない入浴を心がけるべし。