ここまで安全に1日を過ごしてきたら、いよいよ布団に入って休息。明日に備えるのだ。
「よく眠れなかったから朝長く寝ようという人がいますが、そういう人に限ってイライラしやすい。寝る時間がバラバラなら、朝起きる時間を一定にしておけば体内時計は狂いません。それが自律神経の乱れを起こさない眠り方なのです」
仕事があれば、休日あり。たまの休日ぐらいは、自分のペースで気ままに時間を過ごしたい、と思う人も多いはず。しかし、このストレス解消が突然死の呼び水になることもあるのだ。
「せっかくの休日なので寝だめしようと、昼過ぎまでゴロゴロしていると、昼間の運動量が減り、さらに起きる時間の変化で自律神経が乱れる。結果、肥満になり、糖尿病を悪化させる原因となります」
パチンコ、競馬などのギャンブルでストレス解消、という御仁もいるだろう。
「かつて、パチンコで『フィーバー』がブームだった頃、心筋梗塞を発症してパチンコ店からそのまま搬送されてきた患者さんを多く診ました。パチンコを含め、ギャンブルは負けてイライラ。勝ったら勝ったで、今度は興奮して血圧が急上昇するため、突然死のリスクは非常に高い。ストレスを解消する点から考えればいいかもしれませんが、血管のことを考えると、百害あって一利なし。文字どおり、突然死への方程式ですね」
平日は疲れてソノ気になれないという人も、休日には奥さんや恋人とエッチしたい、あるいは風俗へ、ということもあるだろう。
「興奮するとか気持ちいい、といったことを抜きに、血管、あるいは心臓のことを考えた場合は『楽か、ややきつい』が運動の鉄則。そう考えると、不倫などの場合は秘密を隠そうと常に緊張してしまい、家にいる時でも交感神経は緊張しっぱなしで、血圧も上がりがちになる。また、相手が奥さんよりも若い場合、相手を満足させようとつい張り切りすぎてしまうため、突然死のリスクは高くなる。つまり、エッチは奥さんや恋人といった、倫理に反さない相手とすべきだと思いますね」
当然のことだが、突然死予防のための生活習慣改善は、早ければ早いほど効果的だ。今までの間違った思い込みを捨てることこそが、突然死のリスクを防止する最善策なのである。