4月25日、綾野剛主演映画「日本で一番悪い奴ら」の完成披露試写会が行われた。
同作で悪事に手を染める悪徳警官役を演じた綾野について、共演したお笑いコンビ「デニス」の植野行雄は、「スイッチ入ってる剛くんを見て、マジでキレてるのかと怖かった」と語るなど、タイトルどおりなかなかの極悪ぶりを発揮したようだ。
そんな綾野は今回のイベントで熊本地震について、「九州のほうでは大変なことになっています。私たちにできることはなんだろうと、必死に考えました」と自身も何か役に立てることはないか考えていたことを明かした。その答えとして、「現在進行形で私たちが今、何をしているかをきちんと発信していくことも、ひとつの務めだと思っています」と語り、さらには「皆さまの携帯で、たくさんの方々に写真を撮っていただき、我々がここに立っている姿を届けてもらえたら」と言って約10秒間に渡って観客のスマホ撮影を許可した。
このサプライズに会場の綾野ファンからは「剛く~ん!」という歓声ともに無数のシャッター音が鳴り響き、来場者たちは大満足だったようだ。しかし、世間の反応はまったく対照的だった。
「綾野をはじめとした出演者、制作スタッフが被災地のためにと考え抜いたサプライズでしたが『そんなことが被災者の何の役に立つの?』『ただの映画宣伝の拡散じゃん』『考えなくていいからボランティアだの寄付だのそういう本当に役に立つ行動をしてほしい』『熊本はまだ映画なんか観てる暇ないです』と批判が飛び交いました。あくまで現地の綾野ファンだけが舞い上がっただけの演出ですから、そうした声があがるのは当然でしょう」(エンタメ誌ライター)
“日本で一番悪い奴ら”が考え抜いた“被災地のための行動”は、まったく伝わらなかったようだ。
(田中康)