3月8日、高木京介の関与が球団から発表されると笠原容疑者は松本氏らとメディアに登場し、球界の“賭博汚染”を暴露しだした。巨人やNPBの調査には協力せず、やりたい放題では球界や当局を刺激したはずだが、斉藤容疑者はどこ吹く風だったというのだ。
「平然と『オレは巨人全体を潰せるネタがあるからパクられることはない』と、逮捕直前まで豪語していた。まるで、身に覚えのある球団側が警察への働きかけをしなくなるとでも言わんばかりだった」(賭博仲間)
週刊アサヒ芸能3月31日号では、野球賭博への関与が疑われる巨人の選手がまだ複数いることを報じた。選手が自主申告すれば処分が軽減されるNPBの特別措置の期間にも申告者は現れなかったが、水面下ではさらなる激震が続いていた。
「4月の頭にバドミントンの代表選手が違法カジノに出入りしていることが発覚し、大問題に発展しましたが、同時期に一部メディアが、長年にわたって活躍する主力投手のバカラ賭博通いの証拠をつかんでいたというんです。そして、そのネタ元こそ斉藤だったといいます。何でも、その投手が違法カジノで遊んでいることを、自分でしゃべっている録音テープを入手していたとも」(球界関係者)
予断を許さない中で2人は逮捕された。だが、発覚から半年以上もたってからの逮捕は憶測を呼んだ。
前述したメディアを使っての“挑発行為”はもちろん、金を無心するかのような高木への恐喝行為が逮捕の決め手だったと言われる。だが、これはあくまで表向きの理由にすぎない、と語るのはヤクザ幹部である。
「警察がいちばん頭に来たのは巨人うんぬんではないな。問題は笠原が逮捕の直前まで野球賭博をやめてなかったことだよ」
笠原容疑者は騒動渦中の3月10日、地元福岡・中洲に「U」というウニしゃぶ料理屋を開業。同店の開店には、ノウハウを持っていた無職の斉藤容疑者が知恵を貸したようだ。活動の拠点を移したことで2人の関係に変化があった。
「もともと自分の地元で顔の利く笠原はツテを使って福岡の胴元を探し当てたんだよ。おまけに、自分だけじゃなく、東京では借金まみれのうえ、有名になっちまったせいで大好きな賭博ができなくなった斉藤の分まで賭けていた。つまり、福岡では東京とはまるで立場が逆転して、笠原が中継をやって斉藤にも遊ばせてたんだ」(前出・ヤクザ幹部)