日本列島を駆け巡った「清原逮捕」の一報から、100日余り。いよいよ初公判が開始され、クスリに溺れた実態があぶり出されようとしている最中、警察は清原が取り調べで漏らしたある芸能人の内偵捜査を進めていた。次々と出てきた“証拠”により、「大物」逮捕までのカウントダウンが間近に迫っている──。
5月17日、覚醒剤取締法違反容疑で起訴された元プロ野球選手・清原和博被告(48)の初公判が、東京地裁で開廷。グラウンドで輝きを放ったスーパースターが、白球ではなくシャブを夢中になって追いかけた真相に注目が集まる一方で、清原被告の薬物使用は逮捕前から芸能界で波紋を広げていた。芸能プロ幹部が声を潜めてこう証言する。
「14年3月に『週刊文春』で清原被告の薬物疑惑が報じられました。その報道を受けて、さる業界団体が『薬物の噂が出ているタレントもいるが、実際はどうなのか』と、加盟する芸能事務所各社に対し、所属タレントの尿検査を実施するようお触れを出したんです。こうした事態を受けて、業界団体には加盟していないある芸能事務所も、自主的に検査に踏み切りました。ところがその方針に顔色を変えたのが、所属タレントで大物俳優の『X』だった。他のタレントが素直に応じる中、『何で俺がそんなことをやらなきゃいけないの』と、かたくなに拒否したというんです。この一件はその後、警視庁の捜査員の耳にも入っています」
Xは主演したシリーズものの作品が大ヒットするなど、映画やドラマに数多く出演。また、バラエティ番組での司会進行のほか、有名アーティストとCMで共演し、現在も幅広い分野で活躍する大御所である。
このXの薬物使用疑惑は「清原逮捕」によってさらに深まり、「確信」に変わっていったという。薬物事情に詳しいジャーナリストが声を潜めて明かす。
「もともと、Xがシャブを使用しているという噂は数年前からあり、警視庁が作成する『疑惑の芸能人リスト』に載っている一人でした。そして警視庁が数年前から清原被告の薬物捜査を始めると、その過程でXの存在が浮上。問題は、2人の接点がどこにあるのか、でしたが、清原被告の逮捕後、取り調べ中にXの名前が出てきたんです」
清原被告の供述によれば、Xと知り合ったのは3年ほど前、都内のサウナ「A」だった。岩盤浴やヨモギスチームサウナが評判のこの店は、芸能人やテレビ局関係者の利用が多く、2人とも常連客。顔を合わせるうちに意気投合して、一緒に飲み歩くまでの仲になったという。
「清原被告はXとの接点を説明したほか、Xのシャブの使用についてもほのめかしたそうです。清原被告から証言を得た警視庁は、本格的に捜査に動きだしました。仕事のオファーが絶えないXを尾行するなどして行動を確認するだけではなく、さまざまな関係者に当たって外堀を埋めていきました」(前出・ジャーナリスト)
取り調べで「シャブ仲間」の存在を証言した清原被告は保釈後、持病の糖尿病治療のため、千葉県松戸市内の総合病院に直行。だが、程なくして退院し、雲隠れしていた。