嵐の予感が漂う中、今季もプロ野球はセ・パ交流戦が開幕した。6月19日まで各チーム計18試合ずつを戦うが、さまざまな“爆弾”が一気に暴発しそうな危険性が高まっているのだ。はたして、何が水面下で起こっているのか──。主要チームの裏事情に迫ってみた。
毎年のように、交流戦を契機にガラリとムードが変わるチームが出る。巨人は開幕から順調に首位街道を快走していたが、5月中旬から急失速。一転してリーグ戦で苦しい戦いを強いられている。まさに交流戦で何とかチーム全体の建て直しを図りたいところだ。
フロントはパ球団と対峙する機会をチャンスと捉え、相手球団の幹部らと直接話し合ったうえでトレードの商談を持ちかけるなど、積極的な戦力補強も行いたい構えだという。
何より、エース・菅野智之(26)以外は計算が立たない。先発、リリーフ陣の“投壊”を立て直すのが急務だが、驚くことに、“あの男”に照準を定め、一気に交流戦で話を進めるつもりというではないか。そのターゲットこそ、日本ハムの斎藤佑樹(27)である。
プロ6年目を迎えた“ハンカチ王子”だが、一向に芽が出ず、今季は中継ぎ起用で細々と一軍メンバーに名を連ねている。それでも巨人が欲しがるのは──。
「よくも悪くも斎藤について報じる記事がネット上にアップされると、アクセス数が跳ね上がるんです。親会社がメディアの巨人にとって、この人気面は魅力的でしょう。それに斎藤だって心機一転すれば、プロ入り後は出し切れていない実力を発揮するかもしれない」(スポーツ紙デスク)
巨人と日ハムといえば、今季も含め、これまで友好的にトレードを繰り返してきたが、さすがに日ハム側がすんなり斎藤を手放すことはなさそうだ。監督就任以来、斎藤を溺愛する栗山英樹監督(55)の様子からも容易に想像がつく。
そこで一部では、トレード要員として、斎藤とは不釣り合いなほど大物の内海哲也(34)の名前がささやかれているという。
「先発不足のために昇格した一軍復帰後も低調続きのベテラン左腕については、高橋由伸監督(41)のコメントも歯切れが悪く、正直、現場は多くを期待していないようです。とはいえチームの功労者ですから、むげにはできません。本人が進退を決断するのを待っているのでしょうが、内海の復活にかける意気込みが上回れば、環境を変えることを建て前として放出しようという意見があると‥‥」(球界関係者)
さて、その巨人はもう一つキナ臭い話題を抱え込んでいる。一部の取材メディアと巨人側に“冷戦”が勃発しているのだ。巨人番記者は、声を潜めながらこう話す。
「例の“野球賭博問題”で逮捕された笠原将生被告(25)と、『B氏』こと斉藤聡被告(38)から逮捕前に情報提供を受けたり、両容疑者のインタビューを自社の媒体で行った某社に巨人側が現場で相当なニラミを利かせている。その社は別の爆弾ネタを報じようとしていたフシもあって、今も巨人側はかなり神経をとがらせています。高橋監督も、同社の記者からの質問には不機嫌そうな表情を浮かべるぐらいです。取材現場では『何かの“弾み”で交流戦期間中にでも、巨人側から出入り禁止を通達されるんじゃないか』との噂まで流れています」