政治評論家の小林吉弥氏が都知事選を予見する。
「自民党は小池氏擁立に動いています。自公から公認を得られれば、基礎票は200万票に達すると見ます。もっとも都知事選は人気投票の色合いが濃いだけに、自民党はこれ以外にも勝てる第3の候補を探しています」
6年前の参院選で蓮舫氏は東京選挙区から出馬し、170万票の高支持を獲得し、トップ当選を果たした実績がある。
「自民党が、舛添都知事に不信任案を出すかギリギリまで躊躇したのも、注目されていた蓮舫氏出馬を阻むためだったと言われています。それだけに自民党内では、官僚出身者など、非有名人の実務者の候補者擁立を画策していました。舛添氏の辞任が決まる前から安倍総理の懐刀で、外務省の齋木尚子国際法局長、村木厚子元厚生労働事務次官などの名前もあがっている。中でも有力視されているのが、桜井俊総務事務次官(62)です。総務省に影響力を持つ菅義偉官房長官を通して接触しているほど」(ベテラン記者)
桜井氏は人気アイドルグループ嵐・櫻井翔の父としても知られるだけに女性票が獲得できる強みがある。
「本人はすでに囲み会見で出馬を完全否定している。しかし、この6月にわずか1年で次官のポストを退任しているだけに、ブラフである可能性が高い。2020年には東京五輪が控えており、父が都知事に就任すれば、開会式など五輪イベントを、ジャニーズが優先的に仕切る手はずとなります」(政治部デスク)
もっとも短期の首都決戦で確実に勝つには、知名度こそがモノを言う。そこで取りざたされているのが、現在、タレントとなった橋下徹前大阪市長(46)だ。
「舛添氏の辞任が決まる数日前から、菅官房長官が打診している。みずから立ち上げた大阪維新の会は、7月参院選で議席激減の見込みだ。追い風を吹かせたい橋下氏は、出馬に色気を見せている。ネックは民放番組にレギュラー出演中であること。違約金が発生する可能性がある。出馬決意が遅れても、後出しジャンケンにこそ勝機ありと見ている」(前出・ベテラン記者)
「2万%ない」と言いだしたら、出馬のサインだ。前出の蓮舫氏にしても、6月18日、不出馬報道が流れたが同様の状況だ。
「最後の大物は小泉純一郎元総理(74)。前回の都知事選では細川護煕元総理(78)を担ぎ出し、反原発路線を訴えました。今回は、みずからがサプライズ候補として打って出る可能性があります。最後発として出馬すれば、元恋人と言われた小池氏などは票を飲み込まれる可能性が高い」(前出・政治部デスク)
投票日は7月31日。最後に、前出・小林氏が“喝”を入れる。
「都知事選には50億円の血税が投じられる。舛添氏が公私混同したのは言語道断だが、彼を選んだ責任の一端は都民にもある」
負の連鎖を繰り返す愚の骨頂は避けなければいけない。