8月14日は新潟で「関屋記念」、札幌で「エルムS」が行われる。両レースとも過去5年の勝ち馬が4番人気以内と比較的堅めの傾向だ。一方、21日に行われる「札幌記念」は、マイル王・モーリスが初の2000メートル戦に挑む。
新潟競馬夏の陣! 重賞第2弾は関屋記念。フルゲート(18頭)になるかもしれず、馬柱のとおり顔ぶれはなかなか。各馬の力量に大きな開きはなく、熱のこもった迫力あるレースになりそうだ。
ごまかしの利かない直線の長い新潟でのマイル戦。別定重量でもあり、データからは大きく荒れることはない。馬単導入後の過去14年間、その馬単で万馬券になったのは2回(馬連も同じ)。この間、1番人気が5勝(2着4回)、3番人気は3勝(2着2回)と、比較的順当に収まる競馬だ。
ただ1、2番人気のワンツーで決まったケースは少なく、人気、有力馬から、やや人気薄に流すのが馬券的な筋となりそうだ。
夏場だけに暑さに強い牝馬の善戦が見られるのが特徴で、4歳、5歳馬の活躍が際立っている。とはいえ、00年以降、7歳馬が4勝(2着2回)しており、ピークが過ぎたと見て高齢馬を軽視するのは禁物だ。
さて、あらためて顔ぶれを見てみよう。マジックタイム、ピークトラム、ケントオー、そしてヤングマンパワー、ロサギガンティアが人気、有力どころとしてあげられるだろう。しかし、各馬の力量差はわずか。流れ、展開ひとつでどう転ぶかわからず、各馬の状態のよしあしをしっかりとつかむことが、より肝心だろう。
この9年間、1、2番人気馬のいずれかが連に絡んでいるが、力が拮抗しているだけに、久々に一波乱があっても不思議はない。
難解で目移りするが、穴党として期待を寄せたいのは、ダノンリバティだ。
以前は、芝で好結果が得られず、ダートに活路を求めたところ、いきなり勝ち上がって、イメージとしてはパワー型の馬と見られている。しかし、そうではあっても、再び芝で活躍し始めており、断じて軽く見るべきではない。
弱かった後肢がしっかりしたことで、芝の速いレース決着にも対応できるようになったのは見逃すべきではない。厩舎関係者も「心身ともにたくましくなって、ようやく素質のよさが生きるようになった」と口をそろえ、この馬の充実ぶりを強調している。
前走3カ月ぶりの実戦となった中京記念でも、見せ場たっぷりに勝ち馬とコンマ3秒差の5着に頑張っている。この時の中京競馬は最終週で、荒れて傷んだ馬場が味方したとの見方もあるが、新潟の芝コースもそれなりにパワーは必要。510キロ超えの大型馬には広い新潟の芝コースはもってこいなのだ。実際、デビュー戦は新潟の芝コースで勝利をモノにしたことは忘れるべきではない。
状態もいい。休み明けを一度使われたことでこの中間、大幅な良化ぶりを見せている。1週前の追い切りも軽快かつリズミカル。厩舎関係者が「実にいい雰囲気。馬体に張りが出て、気配は上々」と、目を細めるほどだ。ならば勢いを増す4歳馬。大きく狙っていいのではないか。
ヴァーミリアン(JCダートなどGI9勝)、ダイワメジャー(天皇賞・秋などGI5勝)ら近親、一族に活躍馬がズラリといる良血。晴雨にかかわらず狙い撃ちといきたい。
注目すべき札幌記念は、モーリスの参戦で盛り上がるが、2000メートルの距離は微妙。狙っておもしろいのは、レインボーラインだ。
ここ目標に好仕上がり。久々でも気がよく、鉄砲駆けが利くタイプ。札幌の洋芝は得意で、好走必至と見ている。