スポーツ

あのスターを生んだ夏の甲子園(1)履正社が見据えるトリプルスリー山田哲人超え

20160809yamada

 昨年、日本プロ野球史上9人目のトリプルスリーを達成し、今季は史上8人目の三冠王も射程圏内にある山田哲人(現・ヤクルト)。今や日本を代表する強打者へと成長したが、履正社(大阪)の2年生だった09年秋の段階では、山田はプロ野球のスカウトもほぼノーマークに近い存在だった。

 当時、関西球界で名が轟いていた野手は同じ大阪の強豪・PL学園の吉川大幾(現・巨人)、勧野甲輝(元楽天)、智弁和歌山の西川遥輝(現・日本ハム)など。だが、山田はひと冬越えて急激に成長。結果、みごとにドラフト1位を勝ち取るまでになったのである。

 その打棒が全国の野球ファンに知れ渡ったのは2010年、3年生の最後の夏。3番ショートに定着した山田は大阪府予選8試合で13打点をマーク。母校に13年ぶりの夏の甲子園出場をもたらす原動力となったのだ。

 そして、甲子園の初戦となった天理(奈良)戦で、山田はのちのトリプルスリー誕生を予感させる活躍をやってのける。

 2-0とリードした5回裏、2死一、三塁だった。三塁ランナーだった山田は一塁ランナーが天理の左腕・沼田優大の牽制球で挟まれているスキをついてホームスチールを決めたのだ。打っても3打数2安打1四球。放った2本のヒットはいずれも火を噴くようなライナー性の当たり。試合も4-1で快勝し、履正社の夏の選手権初勝利の立役者の一人となったのである。

 続く聖光学院(福島)戦でも山田のバットから快音が響き渡る。3打数2安打1四球2打点。中でも0-2と劣勢だった6回表には「狙って打った」という、相手投手の歳内宏明(現・阪神)のストレートを豪快に振り抜くと、打球は大きな放物線を描いて左翼席へ。一度は試合を振り出しに戻す同点2ランを放ったのだ。試合は8回裏に3点を奪われ、2-5で惜敗したものの、この甲子園での活躍がドラフト1位指名を引き寄せたといってもいいだろう。

 今夏、山田の母校・履正社はこの2010年以来の夏の甲子園出場を果たした。しかも、高校生NO1左腕との呼び声高い寺島成輝を擁しての堂々の優勝候補。トリプルスリー山田さえなし得なかった全国制覇がなるか。注目が集まっている。

(高校野球評論家・上杉純也)

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    なぜここまで差がついた!? V6・井ノ原快彦がTOKIO・国分太一に下剋上!

    33788

    昨年末のスポーツニュース番組「すぽると!」(フジテレビ系)降板に続いて、朝の情報番組「いっぷく!」(TBS系)も打ち切り決定となったTOKIOの国分太一。今月30日からは同枠で「白熱ライブ ビビット」の総合司会を務めることになり、心機一転再…

    カテゴリー: 芸能|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<寒暖差アレルギー>花粉症との違いは?自律神経の乱れが原因

    332686

    風邪でもないのに、くしゃみ、鼻水が出る‥‥それは花粉症ではなく「寒暖差アレルギー」かもしれない。これは約7度以上の気温差が刺激となって引き起こされるアレルギー症状。「アレルギー」の名は付くが、花粉やハウスダスト、食品など特定のアレルゲンが引…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<花粉症>効果が出るのは1~2週間後 早めにステロイド点鼻薬を!

    332096

    花粉の季節が近づいてきた。今年のスギ・ヒノキ花粉の飛散量は全国的に要注意レベルとなることが予測されている。「花粉症」は、花粉の飛散が本格的に始まる前に対策を打ち、症状の緩和に努めることがポイントだ。というのも、薬の効果が出始めるまでには一定…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
上原浩治の言う通りだった!「佐々木朗希メジャーではダメ」な大荒れ投球と降板後の態度
2
【高校野球】全国制覇直後に解任された習志野高校監督の「口の悪さ」/スポーツ界を揺るがせた「あの大問題発言」
3
エスコンフィールドに「駐車場確保が無理すぎる」新たな問題発覚!試合以外のイベントでも恨み節
4
「子供じゃないんだから」佐々木朗希が米マスコミに叩かれ始めた「温室育ち」のツケ
5
ミャンマー震源から1000キロのバンコクで「高層ビル倒壊」どのタワマンが崩れるかは運次第という「長周期地震動」