8月21日、東京あきる野市のレジャー施設「東京サマーランド」で、女性客を標的にした傷害事件が発生した。これを受け、ある男が「こんなものは氷山の一角だ」と、驚くべき最新犯行手口を告白する。
まずは事件を振り返る。
「被害にあったのは18~24歳のビキニ姿の女性9名で、いずれも尻や太腿、下腹部などを剃刀のようなもので切りつけられていました。9人とも人工の波が出るプールで被害にあいましたが、事件当時はわずか幅20メートル、長さ60メートルのプールに約1200人もいた“芋洗い状態”だったため、犯人の特定には至っておりません」(捜査関係者)
事件によりサマーランドは一時休園。手荷物検査の強化、警備員の増員など再発防止策を打ち出したうえで8月26日から営業を再開し、都内にある他の大型プール施設も警備強化の方針を発表した。
だが、かつて痴漢の常習者であり、プールでの犯罪に加担した過去もあるA氏は「この程度の対策で犯罪が減ることはない」と切り捨てる。
「今は互いに名前も職業も知らない性的趣向の異なるマニアが徒党を組んでプールに繰り出している。絶対に声を上げないような女性をリサーチし、集団で“凌辱”するんだ」
この痴漢グループの中で、獲物探しの役目を担うのが盗撮マニアだという。
「サングラス、腕時計、はたまたヅラと体中に小型カメラを忍ばせて、無防備な女の子を物色するんだ。その段階ではまだ手を出さないし、女の子も仲間とハシャいでいるから盗撮されていることに気づきもしない。たまにスマホで盗撮しようとする“素人”もいるが、ピントを合わせようとすると、どうしても不審な動きになりがちで、通報されやすい」(A氏)
こうして撮影された画像は、ほぼリアルタイムでメンバーたちが共有することとなる。
「スマホと『LINE』などのメッセージアプリは必須。画像に加えて、水着の柄や、髪型、胸の大きさなども記載されているので間違えようがない」(A氏)
周到な準備を経て、痴漢グループはいよいよ犯行に及ぶ。冒頭の刺傷事件と同様、痴漢行為の現場は過密状態のプールの中だ。
「仲間に突き飛ばされたフリをして、標的に抱きつき、ドサクサにまぎれてお尻や胸を揉んだりするのが典型。潜水艦をモチーフにしたオモチャを拾おうとしてお尻を触ることも。まぁ、これにも盗撮用のカメラが仕込まれているんだけどね。そもそも満員のプールで腕や肘が胸や尻に当たることなんて珍しくもないし、誰に触れられたのかさえわからない。たとえ、疑いの目を向けられても先に『ごめんなさい』と言えば女の子は笑って水に流してくれる。中には水中でわざとオシッコを漏らして、女の子にかけることに喜びを覚える“ぶっかけ”マニアもいる」(A氏)
一度ターゲットにされた女性は、施設を出るまで性のはけ口にされ続ける。
「プールサイドで休憩しようものなら隣に陣取り、バッグに仕込んだ赤外線カメラでビキニの下のボディを記録させてもらう。立ち去ったあとに陰毛を探して持ち帰るヤツもいる。さまざまな性癖を持つ人間がかわるがわる1人のターゲットに接触し、女の子は気づかぬうちに慰みものにされていく。たとえ警備員が監視していても、ごく自然にカムフラージュされた集団痴漢行為に気づくことはまれ。マニアにとってプールは公開ハプニングバー、夢のエデンだよ」(A氏)
悪質さを増すばかりの卑劣な犯罪行為を撲滅する方法はないのだろうか。元兵庫県警刑事の飛松五男氏に聞いた。
「逮捕される人間のほとんどが初心者で、玄人の犯行は検挙されにくいのが現状です。訓練された警備員を増やすことは難しいので、館内放送で定期的に痴漢被害の実例を放送すること、女性側も、被害にあったらすぐさま声を上げることが大切でしょう。彼らは気弱な人間の集まりですから、個人が意識することで被害を減らすことはできます」
断固とした「水際対策」が待たれる。