コトここに至って、
「相次ぐ問題に、市場関係者や都庁職員の間では、本当に移転できるのかと疑問の声が噴出。先の参院選で応援演説するなど小池氏のブレーンでもある若狭勝衆院議員(59)も、違法建築の事実を把握するなど、白紙撤回も念頭に置いているそうです」(都庁関係者)
カジノ議連関係者も声を大にして、こう訴えるのだ。
「こんなに問題が見つかった以上、とても延期ではダメだ。白紙撤回ですよ。そして、カジノ化するしかない。わざわざ建物を解体しなくても、骨組みを残し、改修してカジノを造れるか検討すべきです。かつて青島幸男都知事は、公約どおり世界都市博を中止したはいいが、代案を打ち出せずに批判されて終わってしまった。小池氏が『第二の青島』にならないためにも、その代案はカジノしかない。これまでつぎ込んだ莫大なカネ、そして補償金などを回収するには、もはやカジノ以外にないのです。そもそもカジノ建設が可能な広大な土地は、都内ではお台場、そして豊洲の2カ所しかない。たとえ建物を全て解体したとしても、十分に回収できるうえ、利益を生みますよ」
カジノ議連のとある議員も、こう主張している。
「(東京)五輪後には必ず景気が冷え込む。それを下支えするためにも、IR(カジノ)は必要だ」
3月2日、大阪湾の人工島・夢洲にカジノを含む統合型リゾート施設の誘致を目指している関西経済同友会は、経済効果は年間7596億円、雇用創出は9万8000人を見込めるとの試算を発表。場所こそ違えど、豊洲に誘致できれば期待も膨らむだろう。
カジノ参入をもくろむ支援者のセガサミーと里見会長、そして白紙撤回を視野に入れるブレーン・若狭氏。小池氏に働きかけるのは他にも、
「カジノ誘致派の自民党・二階俊博幹事長(77)が小池氏と非常にいい関係にあり、急接近しています」(政治部デスク)
都知事選勝利の4日後、安倍総理と小池氏は会談を行った。自民党が刺客を送る「分裂選挙」の末の決着に、安倍総理は、
「自民党は小池さんにキツい一本を取られた」
と完敗を認めたあと、東京五輪成功に向けて連携を強めることで一致。だが会談終了後、小池氏は親しい記者に、こう言ったという。
「安倍さんは許さないわよ!」
前述したように、先に浮上している「横浜カジノ」誘致に積極的なのは、横浜を選挙区とし、安倍総理の側近である菅氏。そのお膝元から、カジノ構想を奪い取る──。
「黒岩祐治神奈川県知事(61)、林文子横浜市長(70)も積極的で、建て前上、菅氏は手を組んだ形になっている。むげにはできないのですが、菅氏の本音は、横浜でもどこでもいい。集客面を考えると都心に造るのが最適でしょうから、『もし東京でできないなら横浜でもいい』という考えなんです」(前出・IR議連関係者)
7月の参院選でIRを推進する自民党と日本維新の会が衆参で過半数を占めたことで、秋の臨時国会でカジノ法案成立の可能性は高まった。そして築地移転問題が焦点となる都議会は、9月28日に開幕。小池氏の「次の一手」が注目される。