日本でも顕著になっている「テレビ離れ」。昨年、NHK放送文化研究所が実施した調査によれば、1985年の調査開始以降、初めて「1日4時間以上見る」人が少数派となった。
視聴習慣の変化のほか、バラエティ番組の不振も「テレビ離れ」の一因に挙げられ、各局では日々打開策が練られている。
そんななか、「メガヒット番組の制作」をコンセプトに秋元康プロデュースとして放送されている「EXD44」(テレビ朝日系)が注目を集めている。
同番組について「エッジの利いた企画ばかりで素晴らしいですね」と語るのは中堅放送作家だ。
「毎回、担当スタッフごとに異なる企画が放送されるのですが、なかでもタレントが“アンチ”のネットユーザーと直接会って激論を交わす『オレに文句があるなら面と向かって言ってくれ!』が面白い。これまでキングコング西野亮廣さんや東国原英夫さんが出演されましたが、いずれもヤラセなしのものすごい緊迫感でした」
西野がネットユーザーに促される形で「芸人引退」を表明したことでニュースにもなった同企画。タレントみずからがツイッターで公開討論を呼びかけるなど、一般人が参加しやすい形を作っているのが大きな魅力となっている。一方でこの企画を不安視する声も。
「たしかに有名人と一般人の激論は刺激的ですが、果たして『本当にヤバイ奴』が来た場合、番組側は対応できるのでしょうか。激論のさなかにタレントが殴られたり、刺されたりしないかと危惧している関係者は多いと思いますよ」(キー局ディレクター)
業界内で評価の高い同番組だけに、傷害事件により打ち切りなんてことにならなければいいが──。
(白川健一)