「弁護士から5000万円の返金を求める訴訟の提案もあったかと記憶していますが、当時、私は100億円規模のビジネスを動かしていたので、大仁田とのトラブルに多大な時間を割くほど暇ではなかったのです」
こうしたトラブルのほか、大仁田は別のセコい一面ものぞかせていた。元公設秘書が明かす。
「当時、神長さんはアメ車の販売も手がけていた。その宣伝広告の一環として、自社のロゴが入った総額1000万円もするハマーを大仁田にプレゼントしたんです」
もちろん、これは単なるプレゼントではなく、
「その車に乗ってもらうことで(ロゴを露出させ)会社の宣伝になる。そうした意図がありました」(神長氏)
ところが大仁田は、そんなことはおかまいなし。
「数カ月後には転売していた」(前出・元公設秘書)
07年7月、大仁田は国政から引退。その背景には、国交省の役人やAV女優を自宅に招いての乱交パーティ報道などのスキャンダルがあったとされる。神長氏もまた、大仁田のそうした一面を見ていた。
「当時、私は青山でレストランも経営していましたが、大仁田はそこに、派手なメイクで高いヒールを履き、下着姿のような露出の激しい格好をした女を連れて来店した。その子は未成年だったわけですが、大仁田は平然と酒を飲ませていました。毎回の支払いはツケでしたが、一度も払ったことはありません」
さらに、元公設秘書と親交のあった格闘技関係者は、大仁田が参院選に初当選したあと、「支援者を増やしたいので、若手の経営者を集めた食事会を開いてほしい」と頼まれ、赤坂のレストランで夕食会を開いたというが、
「遅刻して現れた大仁田は『まだ仕事が残っている』と途中退席した。夕食会後に近くの居酒屋に入ったら、そこに大仁田がいて、ホステス風の女と一緒に酒を飲んでいました」
さて、問題の5000万円はというと、大仁田は金銭消費貸借契約書と抵当権設定契約書を用意することもなく、
「大仁田の携帯電話にも直接かけましたが応答せず、コールバックもなかった。結局、その後は音信不通になりました」(神長氏)
これが08年3月のことである。大仁田サイドの弁護士とも連絡が取れなくなったという。
大仁田は別の恩人からも金を踏み倒していると、前出・元公設秘書は言う。
「同時期に北関東の不動産会社の社長も大仁田に1000万円を貸していますが、それも返済していません。その社長は『大仁田という男の本性がよくわかった。高い授業料だと思っているから、もう諦めているよ』と話していました」