大飯原発はテロにも無防備
今回のランキングでは、防潮堤の高さ、免震棟の有無やバックアップ電源などを評価対象外にしている。「原発ゼロの会」事務局である衆議院議員の阿部知子事務所ではこう話す。
「今回は優先度の高い要素で、議論の叩き台を作りました」
この検討外の要素の一つにテロなどの人為的破壊活動がある。とりわけ大飯原発のある若狭湾は日本海を挟んで、北朝鮮と接している。長距離弾道ミサイルを装備する独裁国家が目と鼻の先にあるのだ。
軍事アナリストの黒井文太郎氏はこう語る。
「北朝鮮が大飯原発あたりを狙うならテポドンまではいらず、射程1000キロと言われるノドンで十分です。ノドンは現在、発射基50基程度、ミサイル本体は数百発あります。命中精度は低いですが、大量に発射すれば格納容器破壊まではいかなくとも、周辺設備を破壊して、大きな事故につながる可能性はあります」
また、大規模な特殊部隊を有する北朝鮮ならば、工作員を潜入させて原発への破壊活動を行う可能性も否定できない。福井県警や海上保安庁などはこれに備えた特殊部隊を有しているといわれるが、黒井氏は「これらは原発内には常駐しておらず、緊急時にすぐには対応できない」と問題視する。
北朝鮮などの国際情勢や安全保障問題に詳しいジャーナリストの村上和巳氏は次のように語る。
「北朝鮮は過去の拉致事件でもわかるように、福井県や新潟県の沿岸部での極秘潜入ルート情報を十分に持っています。沿岸部などから半潜水艇などで接近するならば、警察なども事前情報をつかんでいなければ侵入阻止は不可能でしょう」
そもそも前述のように県警や海上保安庁はふだんは原発内におらず、警備は民間会社が担当している。
「センサーなどで侵入を探知したとしても相手が訓練された武装集団ならば、対抗できません。県警などが到着した時にはすでに原子炉建屋内に侵入していることは覚悟すべきでしょう」
おおい町民を絶望させ、国民をアキレさせた野田総理よ、よーくランキングを見るがいい。そして、問題だらけの原発なんてサッサと停止してくれ!