政治

「消費増税には大反対だが小沢新党は支持しない」理由(3)

江本孟紀(元参院議員)

「小沢チルドレンの宗教的な盲信ぶりはズレている」

 まず、今の時点で民主党の外へ出て、自分の党をアピールするのに、反消費増税はいいとして、反原発は唐突。本当にそう思っているのかもしれないけど、単純な手法ですよ。大衆ウケしようとして、それを見透かされている。放射能が怖くて地元に行かなかった、というあの(「週刊文春」に報道された、和子夫人の)手紙も影響しているでしょう。イメージ的に支持されない原因の一つです。

 小沢さんは過去に何度も(政党を)壊しては作り、壊しては作り、とやってきました。でも、それによる結果が何も出ていません。主義主張は正しいかもしれないけど、国民はそれによって恩恵を受けたとか、結果的に何かいいことがあったかというと、何もなかったでしょう。理念を言っている時はいいけれど、現実に行動すると、結果が残っていません。理念や考え方を実現できないと、国民は納得しないんですよ。政治家としては単なる壊し屋で、業界の中だけの人に見えます。

 唯一、したことといえば政権交代ですが、交代して何をしたかがわからない。既成政党への反発で、期待感は大いにあったはずなんですけど。僕がかつて民主党にいた頃は、何かやるんじゃないか、旧態依然としたものを壊してくれるんじゃないか、という雰囲気はありましたけどね。

 いちばん違うなと思ったのは、民主党って寄せ集めの党だから、極左から極右までいますよね。小沢さんは旧社会党議員のような、それまで相いれなかった人たちと組んだ。かつて自民党の根幹を築いてきた時代の国家観を、そこでなくしたと言っていい。権力を得るためなら、そういう人たちとも組んでいくんです。

 野田総理もマニフェストでは言っていないことをして、言ったことをしない。政権を取るためだけに、国民の気分がよくなることを言ってしまいました。消費税を上げる必要があれば、上げる議論があってもいいですが、民主党はそこに整合性がない。やり方がまずいから、反発を食らうんですよ。

 それと、「小沢チルドレン」と呼ばれる新党メンバー‥‥ヤワラちゃんとか三宅(雪子)さんとか女性たちがいますけど、ああいう人たちが出てくる感覚は一種、宗教的ですらありますね。彼女たちを見ていると、小沢さんを盲信というか‥‥ああいうのって、ウケないでしょう。小沢さんの横で子分ヅラしているなんて。(小沢氏の相談役とされる元参院議員の)平野貞夫さんは僕の(参院選初当選の)同期で同郷なんですが、彼みたいな参謀役なら矢面に立ってもいいですけど、ただ横にいて広報マンみたいなことをやっている。あの感じは一般の人はよく思わないんじゃないですか。画的に悪いし(笑)、今の時代からズレていますよ。

 まぁ、人気があった小泉(純一郎)さんとは違いますね。確かに期待感はあったんだろうけど、今の時代にはもう合わない、ウケない。古いんです。ある種のカリスマ性を持ったリーダー的な人としては、小沢さんが最後だったんじゃないですか、今の政界を見渡すと。ま、今は橋下(徹)さんみたいなのがウケるんですね。

 じゃ、日本はどうすればいいのか。国会議員がいくつかの柱を立てて──つまり、国家観と外交政策上、同じ思想に沿った人だけでガラガラポンをやって集まる。党は関係なくね。同じ考えを持っている人が政党を作るんです。

 結局、誰に聞いても、もう、小沢さんにはあまり期待している雰囲気はないですよね。消費税を利用して、自分の勢いを違う場所に持っていく。もう頭打ちなんですよ。「国民の生活が第一」って、そういうネーミングのセンスもちょっと‥‥ダメですね。

カテゴリー: 政治   タグ:   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    デキる既婚者は使ってる「Cuddle(カドル)-既婚者専用マッチングアプリ」で異性の相談相手をつくるワザ

    Sponsored

    30〜40代、既婚。会社でも肩書が付き、責任のある仕事を担うようになった。周囲からは「落ち着いた」なんて言われる年頃だが、順調に見える既婚者ほど、仕事のプレッシャーや人間関係のストレスを感じながら、発散の場がないまま毎日を過ごしてはいないだ…

    カテゴリー: 特集|タグ: , |

    これから人気急上昇する旅行先は「カンボジア・シェムリアップ」コスパ抜群の現地事情

    2025年の旅行者の動向を予測した「トラベルトレンドレポート2025」を、世界の航空券やホテルなどを比較検索するスカイスキャナージャパン(東京都港区)が発表した。同社が保有する膨大な検索データと、日本人1000人を含む世界2万人を対象にした…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , |

    コレクター急増で価格高騰「セ・パ12球団プロ野球トミカ」は「つば九郎」が希少だった

    大谷翔平が「40-40」の偉業を達成してから、しばらくが経ちました。メジャーリーグで1シーズン中に40本塁打、40盗塁を達成したのは史上5人目の快挙とのこと、特に野球に詳しくない私のような人間でも、凄いことだというのはわかります。ところで、…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
段ボール箱に「Ohtani」…メジャーリーグMVP発表前に「疑惑の写真」流出の「ダメだ、こりゃ!」
2
長与千種がカミングアウト「恋愛禁止」を破ったクラッシュ・ギャルズ時代「夜のリング外試合」の相手
3
沖縄・那覇「夜の観光産業」に「深刻異変」せんべろ居酒屋に駆逐されたホステスの嘆き
4
日本と同じ「ずんぐり体型」アルプス山脈地帯に潜む「ヨーロッパ版ツチノコ」は猛毒を吐く
5
【おむすび】栄養士編スタートで橋本環奈に「ギャルを履き違えている」ダメ出し